"HCI" はじめました。

vSAN担当小佐野舞です。VMwareのHCIを広めるため日々活動していきます。

2021年6月発表のHCI 市場レポート(IDC)

いつ本家の方で更新されるかなと待っていたのですが、出て来なそうなのでVMware 公式ブログの情報を元に2021年の世界のHCI 市場の状況をこちらでもご紹介します。

公式ブログのソースはIDCさんなので、いつもの、四半期に1回の市場レポートです。

 

 

IDC さんの HCI カテゴリでの市場調査が始まってはや5年弱

2021年第一四半期の世界におけるHCIのソフトウェアの売り上げのランキングはこちら!

https://blogs.vmware.com/virtualblocks/files/2021/06/Screen-Shot-2021-06-30-at-3.52.12-PM.png

VMware シェア43.5%でトップを駆け抜けています...! 

さらに、2位以下4社を合算したシェアよりも大きくなっております。

過半数までもう少し!

前回の調査は2020年第四四半期は38.7%でしたので、大きく上がりました。

 

 

現在、30,000社以上のお客様にVMware のHCIをお使いいただいています。

ブログを始めた2017年初めは7,000社と言っていたのが懐かしいです。

HCIが市場全体に浸透したということが大きな理由ですが、それだけではシェアトップにはなれないと考えます。

vSphere という仮想基盤のデファクトスタンダードとパートナー様との協業によりVMware のHCI、vSAN がより広く知られ、使われるようになりました。

 

選べるハードウェアのReadyNodes、共同開発のDell EMC VxRail、各社のVMware ベースのHCI アプライアンス製品、(VMware ソフトウェア全部入りといっても良いかな?の)VMware Cloud Foundation。

 

そして、パブリッククラウドではAWSOracleGoogleVMware クラウド

国内国外問わず、クラウドプロバイダーさんのVMware ベースのクラウド

 

どこを見てもvSAN がいます。笑

SDDC で掲げていたこと、データセンタ全体をソフトウェアで管理/統合することが現実となってきているな、と感じています。

 

引き続き、vSAN をよろしくお願いします!

 

ソースはこちら

vSAN Powered HCI Leads Q1 Market 2021 According to IDC

vSAN HCI Mesh ③ HCI Mesh の構成の上限など

 ネットワークの設定も確認できたので、残りは用語と制限事項について書いていきたいと思います。

 

 

用語

新しくサーバ/クライアントの考え方が出てくるのでこの辺りです。

サーバクラスタ
サーバ クラスタがサービスを提供できるクライアント クラスタの数

クライアントクラスタ
接続可能なリモート vSAN データストアの数=vSAN クラスタの数

ローカルデータストア:
vSAN クラスタの場合、vSAN データストア

リモートデータストア :
クライアントクラスタがマウントしているサーバクラスタのvSAN データストア

 

 

 

構成の上限

規模感としてvSAN クラスタは10台前後の環境が多いかと思います。

5クラスタ、5データストア、128ホストは覚えていただきたいポイントです。

 

項目

最大数

サーバークラスタ

(サーバ クラスタがサービスを提供できるクライアント クラスタの数)

5クラスタ

クライアントクラスタ

(接続可能なリモート vSAN データストアの数)

5つ

vSAN クラスタあたりのホスト数

64ホスト

データストアに接続するホスト数

(サーバクラスタとクライアントクラスタのホスト数の合計)

128ホスト

 

 

 

現時点(2021年7月)でサポートされない機能

 

ライセンス

vSAN クラスタに対してはvSAN Enterpriseが必要

コンピュートのみのクライアントクラスタについてはvSAN ライセンスは不要

 

 

vSAN クラスタを拡張する方法として、ホストを追加するスケールアウト、ストレージデバイスを空きスロットに追加するスケールアップの2通りがあると今まではご紹介してきました。

物理ストレージより簡単に設定もほぼなしでストレージ領域の追加ができる、柔軟な拡張性がvSAN を利用することにより得られます。

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さらに今回のHCI Mesh を活用することにより、vCenter のストレージポリシー管理を共有して一括で運用しつつ、vSAN の領域をvSAN クラスタ/vSAN ではないクラスタまで広げることができます。

複数クラスタを運用されている方はぜひHCI Mesh も使ってみてください!
 

 

 

HCI Mesh シリーズ

vSAN HCI Mesh ① HCI Mesh ってなに?

vSAN HCI Mesh ② HCI Mesh のネットワーク要件 

vSAN HCI Mesh ③ HCI Mesh の構成の上限など  ←今ココ

vSAN HCI Mesh ② HCI Mesh のネットワーク要件

最近お問い合わせが増えてきております、HCI Mesh 。

ネットワークの考慮点についてご紹介していきたいと思います。

 

この2つをご紹介します。 

HCI Mesh のネットワーク要件

HCI Mesh のクライアントクラスタのネットワーク設定

 

 

HCI Mesh のネットワーク要件

  • 25Gbps以上推奨
  • 遅延5ms以下、1ms以下推奨

サーバクラスタとクライアントクラスタのホスト間の通信はvSAN ネットワークを介して行います。

通常のvSAN クラスタのネットワークの推奨項目とほぼ同様となります

オールフラッシュ構成の場合10GbEを最小としてそれ以上が推奨です。

vSAN ネットワーク デザインガイドはこちらの記事から。

vSAN ネットワークデザインガイドはどこにある?

 

 

 

HCI Mesh のクライアントクラスタのネットワーク設定 

HCI Mesh の有効化だけみると、リモートvSAN データストアをマウント!以上のように見えます。

セットアップ動画:https://youtu.be/Dcdwy1wh-DM

が、事前準備として重要なのが、vSAN ネットワークの設定です。

サーバクラスタとしてデータストアを共有するソースのクラスタやクライアントクラスタがvSAN クラスタの場合はvSAN クラスタなので設定済みである想定ですが、コンピュートのみのクラスタの場合は見落とされがちです。

 

クライアントクラスタのネットワーク設定 

https://core.vmware.com/resource/vsan-70-u2-proof-concept-guide#creating-a-vmkernel-port-for-vsan

vSAN クラスタを作成する時と同じようにネットワークの設定が必要です。

vSAN クラスタを作成する際のネットワーク設定で必要なことは何があったでしょうか。

vMotion ネットワークと同じように、VMカーネルアダプタを作成し、vSAN ネットワークにチェックを入れる、これが必須です!

vSAN ネットワークはローカル/リモートの両方で使用されるためトラフィックを内外ごとで分けることができません。

 

 

 

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また、ラックをまたいだトポロジで構成する場合は、ToRスイッチを越えて、ラック間のトラフィックが発生します。

リモートデータストアに格納された仮想マシンへのアクセスを行う際に、Spine のスイッチを経由しますので、その分の余裕を持った帯域確保の考慮が必要です。

 

 

HCI Mesh シリーズ

vSAN HCI Mesh ① HCI Mesh ってなに?

vSAN HCI Mesh ② HCI Mesh のネットワーク要件 ←今ココ

vSAN HCI Mesh ③ HCI Mesh の構成の上限など 

vSAN ネットワークデザインガイドはどこにある?

ストレッチクラスタ については完全同期のクラスタをラック外に拡張するイメージになるので、ネットワーク要件についてよく質問いただくことがあります。

 

通常のvSAN クラスタの場合、同じラック内に配置されることから後は構成によって推奨される帯域が異なる、という認識を持っていただいている方も多いと思います。

ハイブリッドの最小要件1GbE、オールフラッシュの最小要件10GbEなど。

 

vSAN のネットワーク要件どこを確認したら良いか?というと。

Docs にまとまっております!

vSAN のネットワーク設計について

ここを見ればNICの要件だけでなく、チーミングやポートについても確認できます。

 

 

vSAN のネットワーク要件

サイト内に配置する通常のクラスタや2ノード構成の場合の物理NIC の要件がデザインガイドに掲載されています。

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一覧で、通常のvSAN クラスタ、ストレッチクラスタ 、2ノード構成の要件が確認できます。

オールフラッシュの場合、10GbE は最小要件となり、25GbE が推奨となっております。

遅延についても、サイト内ノード間の遅延は1ms未満と記載されています。

 

 

このトポロジもクラスタ構成ごと、サイトやラックについても分かれているので、わかりやすくて良いですね。

vSAN ネットワーク トポロジについて

 

 

と、HCI Mesh のネットワーク要件を書き途中なので改めて最新のネットワークガイドはどこにある?を自分自身で再確認できました。

パートナー様による事例公開中!

導入を検討する際に。

既存環境のどんなことが懸念点や課題だったんだろう?

実際にどうやって導入したんだろう?

選んだポイントってなんだったんだろう?

その答えが載っているのがお客様の公開事例です。

 

お客様の成功事例 お客様事例の一覧

 

vSAN で検索するとかなりの数出てきますが、これだけではありません。 

パートナー様による事例が公開されています!

こちら↓

jp.togetherweinnovate.vmware.com

vSAN 以外にもWorkspace One 、Horizon、などさまざまなソリューションがありますので、参考にしたい!と思う先に導入した方のお話が見つかるかもしれません。

 

 

1ページ目と2ページ目のHCI 事例をオレンジ枠で囲ってみましたが、たくさんあります! 

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vSAN もリリースされてから丸7年。

HCI を仮想化基盤として導入後、ハードウェアリプレースを挟みながら継続して使っていただいている方も増えてきています。

VCF のようなネットワーク仮想化とライフサイクル管理まで含めた全部入りもベースはHCI なので、その延長としてスタートすることができます。

vSphere に統合されているVMware vSAN を利用した、シンプルなHCI をこれからもよろしくお願いします。

 

 

 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ⑤ ファイルサービス

 

Update 2 の続きがかなり間が空いてしまいました。

今回はファイルサービスに関するアップデートをご紹介します。

 

ファイルサービスはvSAN 7.0 で初めて実装された機能です。

vSAN 7.0 ではNFS v4.1 / v3

vSAN 7 アップデート!詳細編 ③ ネイティブファイルサービス  

vSAN 7.0 では追加でSMB v2.1 / v3

vSAN 7 Update 1 、アップデート!概要編 そのいち

個別記事は書いていなかったようです...

 

 

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そして今回のvSAN 7.0 Update 2 のエンハンスメントは 下記4点となります。

  • ストレッチクラスタ、2ノードクラスタをサポート
  • 転送データの暗号化とUNMAP をサポート
  • API 経由でのスナップショット
  • ファイルサービスを行うヘッドサーバ(自動展開されるコンテナ)の拡張

 

これまでのアップデートをまとめたファイルサービスの仕様は下記となります。

  • クラスタあたりのファイル共有数の上限
    100個
  • 最大ヘッド数(ファイルサービスのために自動作成されるコンテナ)
    32ホスト
  • ハードクォータ/ソフトクォータ
    設定可能

 

vSAN 環境に完全に統合されているファイルサービス。

有効化もDNSやADの事前準備をしておけばvCenter から簡単に操作できます。

ここ1年の間にアップデートがこまめにあり、どれが正しいの?と迷うところがあると思い、現時点の仕様をまとめてみました。

 

 

ファイルサービスのデモ動画もこちらにいくつかありますので、ご覧いただければと思います。

vSAN Frequently Asked Questions (FAQ)

FAQの中、下から3つ目、2つ目にファイルサービスの構成(How to Deploy File Service)、ファイル共有の作成(How to Create File Share)があります。

 

 

 

 

vSAN 7.0 U2シリーズはこちら

vSphere / vSAN 7.0 Update 2 GA !!! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編① vLCM の進化! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編② 障害時の挙動ってどう変わったの?

vSAN 7.0 Update 2 詳細編③ プロアクティブに!障害に備えよう。

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ④ ストレッチクラスタの機能強化!

 

vSAN HCI Mesh ① HCI Mesh ってなに?

vSAN 7.0 U1 のさらっとしかポストできていなかった、HCI Mesh 。

U2の機能強化とともにHCI Mesh についてご紹介します! 

 

 

気になる新機能、HCI Mesh。

HCI Mesh とは?

vSAN クラスタは、他の vSAN クラスタとデータストアを共有できます。

リモート データストアのストレージ容量を使用するように、ローカル クラスタで実行される仮想マシンをプロビジョニングできます。

 

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vSAN クラスタクラスタを作成とともに単一のvSAN データストアが構成され、共有データストアとして使用します。

複数vSAN クラスタがあればvSAN データストアは複数作成されますが、使用できるのはクラスタ内に限られます。

クラスタのホストが使用できるのはそのクラスタにぶら下がっているひとつのvSAN データストアです。

この概念をひっくり返したのがvSAN 7.0 U1 で実装された HCI Mesh です!

他のvSAN クラスタのデータストアをマウントできるようになりました。

HCI は小さく始めて、拡張していけることが特徴ですが、余っているなら!その領域を活用したいですよね。

 

メッシュという名前の通り、お互いに持ち合ったりすることはもちろん、一方的に持たせたり、データストア容量の余剰を活用することができます。

 

 

では詳細を見ていきましょう。

考慮事項や制限についてはvSAN 7.0 U1 からU2で変更がかかっています。

ここではvSAN 7.0 U2 の情報を記載します。

 

考慮事項

  • 単一のデータセンタ配下のクラスタ間のデータストア共有であること
  • vSAN クラスタはvSAN Enterprise エディションが適用されていること

 

 

 

制限

  • HCI Meshを利用するクラスタのホストは合計最大で128ホスト
  • 仮想マシンは異なるデータストア間をまたいでVMDKを配置しないこと(例えば:共有されたvSAN データストアとVMFSにひとつの仮想マシンのVMDKをそれぞれに配置することはNG)
  • 転送暗号化、CNSとの併用は非サポート
  • ストレッチクラスタ、2ノードクラスタ環境では非サポート

 

 

 

まずはこんなところでしょうか。

もう少し詳細については別記事で書いていきますね。 

 

 

HCI Mesh シリーズ

vSAN HCI Mesh ① HCI Mesh ってなに? ←今ココ

vSAN HCI Mesh ② HCI Mesh のネットワーク要件 

vSAN HCI Mesh ③ HCI Mesh の構成の上限など 

HCI Handbook 改め、"vSAN 免許皆伝"!!!

ずいぶんと前になりますが。

vSAN のHCI としての地位を確立していこう、とハンドブックの製作を行いました。

2017年6月の記事で喜んでいるので、この頃ですね。懐かしい。

できたて!冊子はじめました 

vSphere の基礎の基礎という新卒の皆さんがブログ記事を書き冊子にまとめたものがありました。

vSAN 版とも言えるものを作ろう!と計画からリリースまでかなりタイトなスケジュールで作り上げた思い出の品です。

現在はここからダウンロードしていただけます。

vmware-juku.jp

 

 

さて、本題です。

vSAN 7.0 Update2 対応のハンドブック、できました!

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vm-event.jp

 

ベースとなるアーキテクチャは全く変わっていませんが、4年の歳月により進化しているので2017 HCI Handbook の改訂版、となります。

こちらは初心者向けの入門編、VMware HCI のvSAN をまず知りたい、という方におすすめです。

 

そして大幅な加筆が行われたのが詳細編です...!

新しく各機能やvSAN ならではの運用管理について詳しく説明しています。

まだリンクが有効になっていないのですが、こちらにアップロードされる予定です。

(2021/5/19時点、アクセス不可)

アップロードされました!

vm-event.jp

https://vm-event.jp/evolve/resource/EO21174/

最近のvSAN ってどう?どんな機能実装されたの?がこれを読めばわかります。

 

 

このブログで各記事を読んでいただくのも良いのですが、1冊に!まとまっているので紹介しやすいのでは、と思います。

ぜひご活用ください...!!!

 

続きを読む

オンラインセミナー、見逃した!そんなときは、ここ!

vSphere / vSAN オンラインセミナー、このブログでも開催告知をしたりしています。

四半期に一度のペースでvSAN についてもお話させていただいています。

 

気がつくのが遅かったのですが、アーカイブが公開されていました!

 

 

IT価値創造塾

VMwareの仮想化・クラウド情報サイト - IT価値創造塾

 

 

 

見つけにくい、ということもないのですが、どうやって辿り着けるのか、画面で見ていきます。

 

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IT価値創造塾へアクセス 

VMwareの仮想化・クラウド情報サイト - IT価値創造塾

トップページには最新の記事が掲載されています。

実は私もvSAN 以外についてはここを読んでお勉強していたりします。

製品、ソリューションが増えた中で、入門者向けは記事本文も長くなくわかりやすく、資料ダウンロードもできるものもあります。

 

 

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メニューのビデオギャラリーに vSphere / vSAN オンラインセミナー があります。

 

 

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私がしゃっべったものをご紹介すると。

#27 はハンズオンラボを使って実際にリアルタイムで操作してvSAN 環境を構築したり。

#26 はvSAN 7.0 Update 1の最新情報をお話ししていたり。

おそらく先日実施した#30 の vSAN 7.0 U2 & HCI Meshもここにあがると思います! 

 

 

ぜひアーカイブされた過去セミナー、ご活用ください。

今見ても役に立つものあります!

春のお祭り!オンラインイベント のご案内

最新情報を直接お届けするお祭りとして毎年秋にはvForumを開催、昨年はVMWorld Japan という形でした。

技術の発展とともに市場も変化していく中で、フォーカスする製品やソリューションの最新情報をご紹介するイベントとして春に開催しているものがあります。

SDDC / EUC Conference、NSX Conference 、Evolveと名前は色々と変わっていますが、セッション中心にお届けしてきました。

 

 

2021年はオンラインイベント 2021 年 5 月 19 日(水)・20 日(木)に開催します!

「Leading Change : アプリのモダナイゼーションを加速するマルチクラウド

 

f:id:vmwarekkHCI:20210510161713p:plain

登録 URLはこちら:https://vm-event.jp/evolve/lp/app-cloud-event/

 

 

■Leading Change : アプリのモダナイゼーションを加速するマルチクラウド

ライブ配信:2021 年 5 月 19 日(水)・20 日(木)

主 催:ヴイエムウェア株式会社

参加費:無料(事前登録制)

 

 

みなさま、ご登録、ご参加、よろしくお願いします!

 

続きを読む

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ④ ストレッチクラスタの機能強化!

みんな大好きストレッチクラスタ

最近も構成に関して質問をいただくことが多いです。

ブログ記事もプレビュー数がだんとつ1位です。

 

ストレッチクラスタ が出た時は、ネットワーク要件はあれどサーバだけでこんなこと実現できるんだ!と感動しました。

ストレッチクラスタ の基本はこちらから(⑨まであるよ)

vSAN ストレッチクラスタ①:ストレッチクラスタとは?

vSAN 7 でのアップデートはこちらから

vSAN 7 アップデート!詳細編 ⑩ ストレッチクラスタ のエンハンスメント

 

 

さて本題です。 

vSAN 7.0 U2 の機能強化により、ストレッチクラスタのさらなる活用ができるようになりました!

vSAN 7.0 Updete 2 をストレッチクラスタ の観点からご紹介します。 

  • 構成ホスト数の拡張
  • ファイルサービス
  • サイト障害時の再同期中のDRS

 

 

構成ホスト数の拡張

vSAN のストレッチクラスタ はプライマリ/セカンダリサイト、ウィットネスサイトの3サイトから構成されます。

ウィットネスサイトは字の通り、ウィットネスホストを配置するためのサイトで、データを保持せず、ウィットネスコンポーネント*を保管するための仮想アプライアンスを稼働させるサイトです。

プライマリ/セカンダリサイトは仮想マシンを稼働させ、データを配置するサイトです。

vSAN 7.0U2から各サイトの最大ホスト数が20まで拡張されました!

プライマリサイト:20台

セカンダリサイト:20台

ウィットネスサイト:仮想アプライアンス1台(vSphere 環境にデプロイ)

合計40台+ウィットネスホストから構成されます。

 

従来はサイトあたり15台まででしたので、クラスタあたり10台増やせることになりました。

 

 

 

 

ファイルサービス

vSAN 7.0 から追加された機能であるファイルサービス。

現在、NFSとSMBのプロトコル、AD連携やKerberos認証に対応しています。

vSAN 7.0 U2ではストレッチクラスタ でも使用可能になりました!

ストレッチクラスタだけでなく2ノード構成のvSAN 環境でもサポートされます。

ファイルサービス、ちょっとあると便利が通常のクラスタだけでなくストレッチクラスタ でも使えるのが嬉しいですね。

 

 

 

 

DRS連携

vSAN 7.0U2でのアップデートは、

vSAN の再同期を待ってからDRSが行われるようになりました!

メリットとしてはサイト間ネットワークを優先的にストレージの再同期に使用させることで、復旧時間の短縮となります。

ローカルからの読み取りとなり、サイトをまたいだデータの読み取りも行われないので、再同期中の読み取り遅延も縮小することができます。

 

サーバはサーバ、ストレージはストレージとアクティブアクティブなデータセンタを構成するときはそれぞれに役割があります。

サーバ部分はvSphere のHA クラスタとしてサイトアフィニティや仮想マシンのアフィニティグループの定義をすることによって、クラスタは1つだけれども明示的にサイトを意識させます。

ストレージ部分は主にデータのサイト間保護、2つのサイトに同期されたデータを保管する役割があります。

 

では、ストレッチクラスタ の動きを見ていきましょう。

 

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正常時、各サイトに配置された仮想マシンはローカルから読み取りを行い、書き込みは完全同期のサイト間ミラーリングとなります。

 

 

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サイト間ネットワークの障害発生時にはvSphere HAにより切り替わり、仮想マシンが優先サイトで再起動されます。

データがきちんと別サイトに同期されているので、通常のHA と同様に切り替わります。

 

 

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ネットワークが復旧すると再同期が始まります。

ネットワークが切断されていた時間に応じて差分の再同期となるので、かかる時間は構成や稼働状況により異なります。

 

vSAN 7.0 U1 まではこの復旧後にDRSが発動していました。

先にDRSが始まってしまうと再同期完了前だった場合、読み取るデータが優先サイト、仮想マシンセカンダリサイトに配置されている可能性があります。

そうすると、サイト間ネットワークを再同期のためのIOと読み取りのためのIO、通常の書き込みのIOが通ることになります。

 

 

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vSAN 7.0 U2 からは再同期の完了を待ってからDRSが開始されます。

これにより再同期が優先され、ストレージも含めた完全復旧時間の短縮となります。

再同期を待ってからのDRSについては自動的に行われるので、設定は不要(設定変更も不可)となります。

 

 

 

 

 

vSAN 7.0 U2シリーズはこちら

vSphere / vSAN 7.0 Update 2 GA !!! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編① vLCM の進化! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編② 障害時の挙動ってどう変わったの?

vSAN 7.0 Update 2 詳細編③ プロアクティブに!障害に備えよう。

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ④ ストレッチクラスタの機能強化! ←今ココ

vSAN 7.0 Update 2 詳細編③ プロアクティブに!障害に備えよう。

vSphere の機能であるProactive HA。

vSphere 6.5(2016年)にリリースされ今に至ります。

 

vSAN 環境での利用について、vSAN 7.0 U2でサポートされました...!

vSAN 環境ならではの挙動への理解とハードウェアベンダーさんのプラグインが必要となります。

 

 

 

リリースノート抜粋

VMware vSAN 7.0 Update 2 リリース ノート

  • vSphere Proactive HA サポート。vSAN でプロアクティブ HA がサポートされるようになりました。これにより、ハードウェアの問題を検出してホストをメンテナンス モードに切り替え、プロアクティブな対応を行うことができます。 

 

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vSAN ならではの挙動への理解

vSAN 大好き!なみなさまはおそらくvSphere もっと好き!

vSAN がProactive HA 対応してよかったー!で終わると思います。

が、ここではもう少しvSAN 環境でのProactive HAについて説明していきたいと思います。

まず、Proactive HA とは?

Proactive HA は、特定のハードウェア パートナーと連携して実現した機能です。問題が発生してサービスが中断される 前に、性能が低下したコンポーネントを検出し、影響を受ける vSphere ホストから仮想マシンを退避します。

ハードウェア パートナーは、システム メモリー、ローカル ストレージ、電源装置、冷却ファン、ネットワーク アダプター の健全性の状態を知らせる vCenter Server プラグインを提供しています。ハードウェア コンポーネントの性能が低下 してくると、Proactive HA は危険な状態にあるホストを判断し、「隔離モード」にします。隔離モードでは、アフィニティ ルールや非アフィニティ ルールの違反にならない範囲で仮想マシンが健全なホストに移行されるため、仮想マシンの パフォーマンスに影響することはありません。また、新しい仮想マシンクラスタに追加するときに、問題のあるホスト 以外に配置されます。

ハードウェアと連携してプロアクティブにvSphere 側で障害として認識する前に仮想マシンを移行することができる、という機能です。

障害発生というと、ホストが落ちてしまった=仮想マシンも電源断で落ちることになります。

事前に仮想マシンをライブマイグレーションしていれば、アプリケーションへの影響もありません。

これは共有ストレージが正常な状態であることが前提となります。

共有ストレージのハードウェアの障害予兆を検知して行われるものではありません。

 

ではvSAN 環境でのProactive HAはどのように行われるのでしょうか。

vSAN 環境はサーバにストレージが組み込まれています。

サーバだけで共有ストレージを提供する機能であるvSAN 環境のホスト障害はホスト障害=ストレージ障害ともいえます。

このストレージ部分のデータの退避を行うのがvSAN 環境のProactive HA の最終形態です。

 

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プラグインにより障害が予兆検知されました。

これをトリガにProactive HA が始まります。

重大な障害の場合にはメンテナンスモードヘと移行します。

 

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対象ホストの上で稼働している仮想マシンが健全なホストへと移行されます。

vSphere 7.0 U1 まではここまでがProactive HA として行われていました。

 

 

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そして対象ホストはストレージとしてデータを格納しているので、仮想マシンと同様に他のホストへとデータを退避します。

 

 

メンテナンスモードへ移行するとホストのリソースが全て使用できなくなるため、環境で使用できる/できないの判断が必要だと考えられます。

N+1の構成を取っていてスラックスペースも確保しているので実際の障害時と同じ対応をする

 

上に書いた通り、重大な障害の場合はメンテナンスモードへと移行されますが、3つのオプションがあります。

  • すべての障害を対象とした検疫モード
    仮想マシンのパフォーマンスに影響がないかぎり、部分的に性能が低下したホストを使用せずに、パフォーマンスと可用性のバランスを調整します。
  • 軽度の障害を対象とした検疫モードおよび重大な障害を対象としたメンテナンス モード (混合)
    仮想マシンのパフォーマンスに影響がないかぎり、性能がいくらか低下したホストを使用せずに、パフォーマンスと可用性のバランスを調整します。重大な障害が発生したホストで仮想マシンが実行されないようにします。
  • すべての障害を対象としたメンテナンス モード
    部分的に障害が発生したホストで仮想マシンが実行されないようにします。

 

これらのオプションは主に仮想マシンを想定しているもので、vSAN についてはメンテナンスモードの移行オプションを選択することができます。

 

 

プロアクティブ仮想マシンの退避、ストレージに格納されているデータの退避を行って、最小限のダウンタイムでの運用が可能になりますね!

 

 

 

ハードウェアベンダーさんのプラグイン

各ハードウェアベンダーさんのハードウェア監視ツール(プラグイン)と連携します。

それがこちらです。

どのハードウェア監視/管理ツールもすでに使ったことがある!というものばかりだと思います。

導入の際は使用するハードウェア、そしてベンダーさんのプラグインについてもご確認ください。

 

 

 

 

vSAN 7.0 U2シリーズはこちら

vSphere / vSAN 7.0 Update 2 GA !!! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編① vLCM の進化! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編② 障害時の挙動ってどう変わったの?

vSAN 7.0 Update 2 詳細編③ プロアクティブに!障害に備えよう。 ←今ココ

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ④ ストレッチクラスタの機能強化! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編② 障害時の挙動ってどう変わったの?

詳細編、順番は思いついた順なので特に意図はないです。 

 

vSAN 7.0 U2シリーズはこちら

vSphere / vSAN 7.0 Update 2 GA !!! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編① vLCM の進化! 

 

 タイトルにある通り、障害時の挙動として7.0u2でどんなアップデートがあったのか見ていきましょう。

リリースノート抜粋

VMware vSAN 7.0 Update 2 リリース ノート 

  • 計画外の障害への対応。vSAN 7.0 Update 2 では、ホスト、ディスク、またはネットワークで発生した計画外の障害を許容できるように、障害発生時に追加の持続性コンポーネントを生成し、データの持続性を強化しています。

 

さきにこのアップデートにより何が嬉しいことなのかを書いておきますね。

この2つです。

  • 障害発生時の書き込まれたデータの可用性の保護
  • 障害復旧後の再同期時間の短縮

 

 

リリースノートには上記のみなので、中身として何が変わったのか詳しく見ていきましょう。

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この構成ではクラスタに4ホスト、ストレージポリシーはFTT=1、ミラーリング仮想マシンが作成されています。

1台の仮想マシンをみてみると、ホスト1にデータ、ホスト2にウィットネスコンポーネント、ホスト3にデータが配置されています。

 

 

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ホスト3に障害が発生しました。

このホストがダウンしてしまうと、1つのデータに対してアクセスできなくなりますが、ホスト1にデータとホスト2にウィットネスが配置されているので仮想マシンは稼働し続けることができます。

ホスト障害が1台発生しても仮想マシンが稼働し続けられるストレージポリシーFTT=1を定義しているからです。

 

 

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変わったのはここから!

vSAN 7.0 U2では新規の書き込みに対してストレージポリシーに定義されている通り書き込みを行います。

FTT=1ミラーリングが指定されているので、ホスト1とホスト4に対して書き込まれます。

新規の書き込みに関しての耐障害性をあげることができるようになりました。

vSAN 7.0 U1まではホスト1のアクティブなデータのコンポーネントのみに対して書き込みが行われていました。

 

 

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ここでホスト1にも障害が発生した場合、データにアクセスできなくなります。

コンポーネントとして現時点で正常な状態なのはウィットネスコンポーネントと増分書き込みである持続性コンポーネントの2つとなります。

 

 

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では ホスト3が復旧したらどうなるのか見ていきましょう。

このホスト3は1番最初にダウンしたホストです。最新の書き込まれた情報を持っていません。

 

 

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 ホスト4から増分を再同期し最新となった時点で、アクティブな状態となるため、データとウィットネスコンポーネントがそろってオブジェクトとして正常な状態になり、アクセスすることが可能になります。

その後不要になった増分の持続性コンポーネントは自動的に削除されます。

 

  • 障害発生時の書き込まれたデータの可用性の保護
  • 障害復旧後の再同期時間の短縮

そうなんです。

2重障害を想定していないストレージポリシーだとしても、予期せぬ障害が発生、復旧後に最新の状態に戻すことができる、これが今回のアップデートとなります。

障害時にFTT=1でFTT=2相当の可用性を。

より安心できる仕組みになりました!

 

 

Youtubeにはデモつきで紹介されています。(英語)

Enhanced data durability with vSAN - YouTube

こういうものの日本語版、あったら嬉しい人っているのでしょうか。

 

vSAN 7.0 U2シリーズはこちら

vSphere / vSAN 7.0 Update 2 GA !!! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編① vLCM の進化! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編② 障害時の挙動ってどう変わったの? ←今ココ

vSAN 7.0 Update 2 詳細編③ プロアクティブに!障害に備えよう。 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ④ ストレッチクラスタの機能強化! 

vSAN 7.0 Update 2 詳細編① vLCM の進化!

桜の時期は暖かくてお散歩日和だったのに、ここ数日寒いですね。

vSAN 7.0 Update 2 の中身を少しずつご紹介していくシリーズ始めます。

 

 

  • vLCM の機能強化。vLCM は、一部の Dell EMC、HPE、Lenovo サーバの既存のサポートに加え、一部の Hitachi UCP HC サーバのファームウェア アップデートをサポートするようになりました。vLCM は、NSX-T ネットワークが構成された vSphere with Tanzu クラスタを更新できます。また、スケーラビリティが強化され、単一の vCenter Server 内の vLCM で 400 台までのホストを管理できるようになりました。 

 

vSphere Lifecycle Manager

vSphere 7.0 で実装されたライフサイクル管理のための機能です。

ハードウェア+ソフトウェアを一括してライフサイクル管理を行うことができます。

コンシューマ製品のようにポチッと簡単にアップグレードできると嬉しいですよね。

塩漬けという選択肢もありますが、新しい機能を使いたい場合や性能の向上のためにも最新バージョンの適用が推奨されます。

 

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vSphere 7.0 でHPEさん、Dellさん。

vSphere 7.0U1 でLenovo さん。

そして今回のvSphere 7.0U2 では日立さん!*

Hitachi UCP ReadyNode モデルに対応

 

ハードウェアのファームウェアやドライバなどはハードウェアベンダーさんのプラグインを用いて、vSphere 環境のアップグレードを行うことができます。

プラグインの使用に関しては各ハードウェアベンダーさんごとに異なりますが、ほぼ全てのベンダーさんがハードウェア管理ソフトウェアとして出されているものを利用する形となります。

対応しているハードウェアについては個々にご確認いただきたく。

*残念ながら日本国内で販売されているものは未対応となります。。 

 

さらに!

NSX-Tを使ったvSphere with Tanzu にも対応しました!

vSphere よりもライフサイクルが早そうな今どきソフトウェアTanzu 。

vSphere 7.0U1 でNSX-Tに対応しましたが、Tanzu も合わせて無停止でアップグレードできるようになります。

頻繁なアップデートが必要な環境への採用が増えそうですね。

 

 

vSAN 7.0 U2シリーズはこちら

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vSAN 7.0 Update 2 詳細編① vLCM の進化! ←今ココ

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2021/4/14(水)vSAN オンラインセミナー開催

"HCI" はじめました。

いつのまにかに5年目に突入しておりました!

1番最初の記事はこちら

ハイパーコンバージドインフラ 始めました

 

初々しさが見えますね。

引き続き、よろしくお願いします!

 

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 4/14(水)14:00-15:00 

VMware vSphere / vSAN 最新機能&注目のHCI Meshをデモにてご紹介

vSphere / vSAN セミナーが開催されます。

もう30回目(!)

記念すべき、ではないですが、vSAN 7.0 U2 の最新情報を解説、さらに活用しやすくなったHCI Mesh についても詳しくご紹介します。

 

 

 

GA直後のアップデートサマリはこちら

vSphere / vSAN 7.0 Update 2 GA !!!

 

vSphere / vSAN 7.0U2がリリースされてからしばらく経ちますが、タイミングが悪いことに実機の環境がなくなってしまいまして...

画面を交えたブログでの紹介についてはもう少々お待ちください。