"HCI" はじめました。

vSAN担当小佐野舞です。VMwareのHCIを広めるため日々活動していきます。

OSA におけるvSAN 8 のアップデート情報!- vSAN 8 ④

ESA は新しいアーキテクチャが選べるということで注目を集め、私もブログ記事を書いておりますが。

OSA でのアップデート内容もまとめていきたいと思います。

 

 

 

OSA とは?

Original Storage Architecture の略です。

vSAN がリリースされた2014年から変わらない基本のアーキテクチャです。

キャッシュ、キャパシティという役割を持ったストレージデバイスをグループとしてホストの内蔵デバイスを使用して、クラスタへ単一データストアを提供します。

昔から変わらないと行っても内部的なエンハンスメントはどんどんと追加されており、今後も開発が継続され強化されていきます!

 

 

vSAN 8 でのOSA のアップデート

キャッシュデバイスのバッファ論理容量を拡大

まずお伝えしたいのはハイブリッド構成にはこの論理容量制限はありません。

今回のアップデートでは、オールフラッシュ構成のキャッシュデバイスのバッファ論理容量が大きくなりました。

オールフラッシュ構成の場合、キャッシュとキャパシティの両方にフラッシュデバイスを搭載し構成します。

キャッシュデバイスは字の通り、キャッシュとしての働きを持っています。

この容量がvSAN 7 の600GB → vSAN 8 の1.6TB に拡張されました。

キャッシュデバイスの容量が600GBでも800GBでも1.92TBでも、論理的に使用される容量は600GBでした。

大きな容量のデバイスを搭載し、設定を行うことでキャッシュデバイスの書き込みバッファを1.6TBまで使用可能となります。

設定手順に関しては下記KBを参照して行ってください。

Host Client の詳細設定から行います!

Support for large cache tier capacity (> 600GB, upto 1.6TB) in VSAN (89485)

 

デステージというバックエンドの処理は変わらずあるので、急なIO 増により書き込む時にあふれてしまっていた、輻輳が発生していたようなワークロードに効果ありですね。

 

 

 

HCI Mesh (Dissagrigated Storage/Disaggregation)の拡張

HCI Mesh は異なるクラスタにvSAN データストアを提供することができます。

vSAN クラスタ同士の双方向も、

 

コンピュートのみ(vSAN を利用していない)クラスタのプライマリストレージとして、物理ストレージでVMFS をマウントしているがストレージ領域の拡張として、といった利用も可能です。

詳しくはHCI Mesh 過去記事へどうぞ!

vSAN HCI Mesh ① HCI Mesh ってなに?

 

今回のアップデートは構成の上限の拡大です。

サーバクラスタに接続可能なクライアントクラスタを5個から10個に拡大しました。

1つのvSAN データストアを最大10個の他のクラスタに提供できる、ということです。

より多くのクライアントにストレージを提供することができるので柔軟性が向上していますね!

 

vSAN ファイル サービスのエンハンスメント

vSAN ファイル サービスの内部仕様の改善

検証とトラブルシューティングが効率化されました。

フェイルオーバー時間の短縮

vSAN ファイル サービスの計画的なフェイルオーバーが効率化されました。

vSAN ファイル サービス ネットワークの再構成

プライマリ IP アドレスを含むファイル サーバの IP アドレスを、同じサブネットまたは異なるサブネット内の新しい IP アドレスに変更できるようになりました。

IPv6 経由の vSAN ファイル サービス

IPv6 ネットワークを使用してファイル サービス ドメインを作成できます。

 

 

その他(OSA / ESA 共通)

運用関連

ネットワークアップリンクメトリックの強化

一時的な遅延や負荷の高いワークロードに起因する遅延など、環境に応じたより意味のある関連メトリックを定義します。

vSAN 起動時間の最適化

vSAN 起動ロジックは、より高速な起動のためにさらに最適化されました。

シャットダウンと起動のワークフローの強化

vSAN クラスタのシャットダウンおよびクラスタの起動プロセスが強化され、vCenter Server、または Active DirectoryDNSDHCP などのインフラストラクチャ サービスを内蔵する vSAN クラスタがサポートされるようになりました。

 

健全性関連

vSAN 健全性サービスの開始時間の短縮

vCenter Server の再起動またはアップグレード中に行われるvSAN 健全性サービスの停止にかかる時間が 5 秒に短縮されました。

vLCM HCL ディスク デバイス

チェック対象に「partNumber」と「vendor」が含まれました。

vLCM で構成した目的のイメージとの互換性がより効率的に確認できます。

vSAN Proactive Insights

CEIP を有効にしないでも、クラウドに接続された健全性チェックが可能となり、ソフトウェアおよびハードウェアの異常をプロアクティブに特定できます。

 

セキュリティ関連

異なるサンドボックス ドメインへの vSAN の配置

MD5SHA1、SHA2 のSHA2 への置き換え

IL6 準拠

 

 

細かいところもありますが、より使いやすく、今までの機能のエンハンスメントも行われているvSAN 8。

OSA でもESA でもVMware HCI をより活用していただけるための強化が引き続き実装されていきますので、今後ともよろしくお願いします!

 

vSAN 8シリーズ

vSAN 8 ...!!!

vSAN 8 で実装された新アーキテクチャとは、の前に - vSAN 8 ①

ESA シングルティア構成はハードウェアが重要! - vSAN 8 ②

vSAN ESA の3つの特長 - vSAN 8 ③

OSA におけるvSAN 8 のアップデート情報!- vSAN 8 ④ ←ここ

vSAN 8 ESA ReadyNodes を選んでみよう - vSAN 8番外 ①

vSAN OSA からESA へのアップグレードはできるの? - vSAN 8番外 ②

vSAN 8 ESA のハードウェア選び、変えていいもの、ダメなもの - vSAN 8番外 ②

サイジング - vSAN OSA / ESA で使用するメモリ 2023年Ver.