一段と寒くなった本日のテーマはオブジェクトあたりのディスクのストライプ数。
ストライプというとスピンドルを増やし並列度をあげるイメージです。
vSAN 環境でもその通りです!
ただ、物理デバイスを束ねてストライプするのではなく、オブジェクト単位の考え方でオブジェクトを分割してストライプします。
vSAN のポリシーのひとつにデータ保護に関する許容する障害の数があります。
このポリシーで、ミラーリングまたはイレイジャーコーディングによってデータ保護されます。
さらに今回のテーマ、ストライプをすると下記のようになります。
大きなかたまりだったコンポーネントが2分割されます。
ここでは同一ホストの異なる物理デバイスに入っていますが、これは容量により同一ホストの同じ物理デバイスに格納される場合もありますし、異なるホストに配置される可能性もあります。
許容する障害の数(FTT)で定義されたデータ保護は守りつつ、適当な物理デバイスに分割されたコンポーネントが格納されます。
オブジェクトあたりのディスク ストライプの数
仮想マシン オブジェクトの各レプリカがストライピングされるキャパシティ デバイスの最小数。 値が 1 より大きい場合、パフォーマンスが向上することがありますが、システム リソースの使用量も増加します。
デフォルト値は 1 です。 最大値は 12 です。
デフォルトのストライピング値は変更できません。
ハイブリッド環境では、ディスク ストライプが磁気ディスクにまたがって分散されます。 オールフラッシュ構成の場合は、キャパシティ レイヤーを構成するフラッシュ デバイスにまたがってストライピングされます。 要求に対応できる十分なキャパシティ デバイスが vSAN 環境に配置されていることを確認してください。
オブジェクトあたりのストライプ数を増やすメリットとは?
ストライプが増えた!並列度が上がった!→性能が大きく向上!と考えられますが、vSAN 環境の場合、そこまで体感することはありません。
なぜならIO処理が通常の外部ストレージと異なるからです。
書き込みは必ずキャッシュデバイスに対して行われます。
読み取りはハイブリッド構成の場合はキャッシュデバイスから、オールフラッシュの場合はキャパシティデバイスから直接行われます。
どんなときにこの並列が活かされるかというと
- キャッシュデバイスからキャパシティデバイスへのデステージ
- 異なるホストに分割後のコンポーネントが配置されたとき、複数のキャッシュデバイスを使用可能、より分散処理される
- オールフラッシュの場合、異なるキャパシティデバイスに格納されたコンポーネントから読み取られる
このような場合にはストライプを設定していない仮想マシンより性能が向上する場合があります。
ということでポリシーシリーズ9回目は以上でしたー!