"HCI" はじめました。

vSAN担当小佐野舞です。VMwareのHCIを広めるため日々活動していきます。

vSAN 7 Update 3 詳細編① 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その1

10月上旬のU3 GAからちょっと間があいてしまいました。

追加機能、エンハンスメントなどどのようなアップデートがあったのか詳細編のシリーズを始めたいと思います!

 

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VMware vSAN 7.0 Update 3 リリース ノート

vSAN 7 Update 3 - What's New 

 

 

今回も管理性周りのアップデートが多めに見えますが、2ノードやストレッチクラスタでのアップデートはこれこれ欲しかったんだよね!というものがvSAN ファンの方には響くのではないでしょうか。

まずは2ノードvSAN 構成におけるNested フォルトドメインから紹介していきます。

 

Nested というと思いつくのはNested ESXi でしょうか。

ハイパーバイザ上に仮想ESXi を並べて、動作確認や物理的に用意が難しい台数での検証を行うことができます。

今回のNested フォルトドメインはどちらかというとソフトウェアRAID と呼んでも良いかもしれません。

 

まず2ノードvSAN 構成の復習です。

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2ノードvSAN は

から構成されます。

 

構成要素をソフトウェアとしてあげると3種類となります。

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ウィットネスアプライアンス以外は通常のvSAN クラスタと同様です。

クラスタの作成、運用管理のためのvCenter 、ハイパーバイザとしてのESXi、共有ストレージのためのvSAN からHCI 環境を構成しています。

ここで出てくるのはウィットネスアプライアンス

vSAN のストレージ要件を定義するストレージポリシー管理でミラーリング(FTT=1)を設定した場合、データコンポーネントが異なる2ホストに配置され、もうひとつウィットネスコンポーネントが他のホストに配置されます。

 

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2ノードvSAN クラスタの場合、データを配置するための2ホストしかないため、ウィットネスコンポーネントを配置するための仮想アプライアンスが必要となります。

 

今回のNested フォルトドメイン機能において重要になってくるのはディスクグループです。

ディスクグループとは?

vSAN の用語および定義

ディスク グループ

ディスク グループは、ホストおよび物理デバイス グループでの物理ストレージ キャパシティの単位です。これにより、vSAN クラスタのパフォーマンスと容量が決まります。搭載しているローカル デバイスを vSAN クラスタに提供する各 ESXi ホストでは、デバイスがディスク グループに編成されます。

各ディスク グループには、1 つのフラッシュ キャッシュ デバイスと 1 つ以上のキャパシティ デバイスが含まれている必要があります。キャッシュで使用されるデバイスは、ディスク グループ間での共有や、その他の目的で使用することができません。1 つのキャッシュ デバイスは、1 つのディスク グループ専用にする必要があります。ハイブリッドのクラスタでは、キャッシュ レイヤーにフラッシュ デバイスが使用され、ストレージ キャパシティ レイヤーに磁気ディスクが使用されます。オールフラッシュ クラスタでは、キャッシュとキャパシティの両方でフラッシュ デバイスが使用されます。ディスク グループの作成および管理の詳細については、「VMware vSAN の管理」を参照してください。

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つまりこういうことになります。

1本のキャッシュデバイスと1本以上のキャパシティデバイスからなるグループで、ホストに最大5つまで作成することができます。

この図ではホストに3つのディスクグループがありますね。

フラッシュデバイスのみの場合はオールフラッシュ構成、キャッシュがフラッシュデバイス+キャパシティがHDDの場合はハイブリッド構成となります。

キャパシティデバイスにフラッシュデバイスとHDDを混在することはできません。

 

2ノード構成で7.0U2までの場合の2ノード構成ではこのようなオブジェクトの配置となっていました。

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ストレージポリシーはこんな感じでした。

サイトの耐障害性 なし

許容する障害の数 1 (ミラーリング)

Nested フォルトドメインの機能がないので、FTTでしか可用性の定義を行えません。

この場合でもVMDKを保持している1ホストの障害でも仮想マシンは稼働し続けることができます。

 

 

では!今回vSAN 7.0 U3 となり、3つ以上のディスクグループがあり、かつNested フォルトドメインを使用するとどうなるのでしょうか?

サイトの耐障害性 ホストミラーリング(2ノード)

許容する障害の数 1 (ミラーリング)

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VMDKが2つから4つになりました。

3つのディスクグループにそれぞれ、データ、データ、ウィットネスのコンポーネントが配置されます。

容量は通常の倍必要となりますが、耐障害性が向上します。

2ノードクラスタでもホスト障害時またはメンテナンス時、1ホストのみで稼働している際にストレージデバイス障害が発生しても、仮想マシンが稼働し続けることが可能になりました。

 

 

今日はちょっと書いていて息切れしてきたので、次のポストで障害時の挙動についてまとめていきたいと思います。

 

 

 

vSAN 7.0U3 シリーズ

vSAN 7 Update 3 GAしました...!(サマリ編)

vSAN 7 Update 3 詳細編① 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その1

vSAN 7 Update 3 詳細編② 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その2