vSAN という考え方は変わりません。
そこにプラスで、ホストをグループ化するフォルトドメイン、サイトをグループ化するストレッチクラスタ。
どれもクラスタはひとつ、vSphere のクラスタ機能が使用できます。
ベースの考え方をしっかりと理解した上で、ストレッチクラスタに何か起こったら、仮想マシンにどのような影響があるのかご紹介していきたいと思います。
まず復習です。
vSAN クラスタはストレージとしての可用性を仮想マシンのストレージポリシーの許容する障害の数で定義しています。
例えば、8ホストのvSAN クラスタのうち
このように最大の障害単位がホストとなります。
通常のストレージだとLUNを構成するディスクを何本まで壊れることを許容するか、という考え方に相当します。
CPUとメモリのコンピュートリソースの観点から、仮想マシンは1ホストが障害にあっても異なるホストで起動が可能なため、自動または手動によって先ほどまで動いていたホストと違うホストで起動することでサーバとしてダウンタイムが最小となります。
異なるホスト(=予備機、スタンバイ機、呼び方は様々ですが)で仮想マシンを稼働させるにはその分のリソースが必要です。
このVMware のHA /vMotion の活用とほぼ同じ考え方です。
ストレッチクラスタで出てくるストレージポリシーのご紹介です!
許容されるプライマリレベルの障害の数
リモート保護のためのルール
サイトにまたがって仮想マシンのデータを保持するかしないかを決定します。
リモート保護無効:PFTT=0の場合はサイト間に同じデータは配置されません。
リモート保護有効:PFTT=1の場合は2サイト間の可用性が担保されます。
ここで混乱しがちなのですが、通常のvSAN クラスタ(1サイトに閉じているもの)の場合はプライマリレベルの障害の数がローカル保護(サイト内保護)のための設定項目です。
ストレッチクラスタを使用していない場合はこのプライマリレベルの障害の数が可用性を決定する唯一のルールです。
許容されるセカンダリ レベルの障害の数
ローカル保護のためのルール
サイト内でどのように仮想マシンのデータを保持するか決定します。
通常のvSAN クラスタと同様にサイト内に所属するホストが最大何台障害にあっても仮想マシンを稼働し続けるかを決定するルールです。
公式マニュアルはこちらから
まとめると、ストレッチクラスタならではのポリシーはこの2つです!
サイト間のためのルール:許容されるプライマリレベルの障害の数
サイト内のためのルール:許容されるセカンダリレベルの障害の数
vSAN ストレッチクラスタ②:ストレッチクラスタの要件 そのいち