"HCI" はじめました。

vSAN担当小佐野舞です。VMwareのHCIを広めるため日々活動していきます。

vSAN 7 Update 1 、アップデート!概要編 そのに

vSAN 7 Update 1 、アップデート!概要編 そのいち 

前回は新機能にフォーカスして記事を書きましたが、続きです。

 

 

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オプションを有効にすることでちょっとわかりやすくなった使用可能容量

物理ストレージから切り出したLUNはすでにRAIDが適用されているので

データストアの容量=使用可能容量

何十年もこれがスタンダードでした。

vSAN は物理容量をそのままリソースプールとして使うため、管理者には物理容量が見えています。

システムで使用される容量、重複排除圧縮のマッピング用の領域、障害があった場合の退避先としての容量などはユーザが使用できる容量ではありません。

さらに、そこからストレージポリシーのFTTを考慮して仮想ディスクとしてどれくらい使用できるのかを計算すると仮想マシンとしての使用可能容量がわかります。

これは初期リリースの頃の話です。

徐々に改善されてきましたが、今回は仮想マシンが使用可能な容量をそのまま容量ビューに表示することができるようになりました!

 

 

 

ホストの再起動がはやくなりました!

再起動速度の比較対象はESXiのみのホストで、比べて遅い、ということがvSAN の仕組み上仕方がない。。というKBが昔からありました。

Initializing vSAN during boot takes a longer time (2149115)

This is expected behavior when rebooting a vSAN host. At this stage of the reboot, the ESXi host (vSAN) processes all log entries to generate all required metadata tables.

The time taken to complete this task will depend on the load and the number of log blocks in the write buffer before the host was rebooted.

vSAN ホストとESXiのみホストの大きな違いは、vSAN データストアを持っていること、ローカルストレージデバイスをvSAN のファイルシステムでフォーマットしていることです。

キャッシュデバイスへとメタデータを書き込むために時間がかかっていました。

どれくらい早くなったのか、アップグレード前後の実機で確認してみたいと思います。

 

 

 

データ移行の事前チェックがホスト単位だけでなくディスク単位で

メンテナンスモードは3種類のオプションがあり、アクセシビリティの確保と全データの移行で移行する容量が異なります。

ストレージポリシーによってはメンテナンスモードに移行した場合のオブジェクトとしての健全性も異なります。

そのために事前チェックという機能が実装されたのは6.7U3です。

今回のアップデートでは、ディスクを取り外す、vSAN で使用しなくなる場合にもデータ移行の事前チェックができるようになりました。

 

 

 

容量効率化の重複排除/圧縮から圧縮のみオプションの登場

vSAN では容量効率性の向上のために、重複排除/圧縮のオプションがあります。

重複排除を有効にすると圧縮も同時に有効になり、どちらかを選択することはできませんでした。(vSAN 7まで)

今回のアップデートでは重複排除/圧縮もしくは圧縮という選択が可能になりました。

 

従来この機能を有効化する時に考慮する点は、容量効率性をとるか、パフォーマンスをとるか。

メリット:
容量の削減ができる

デメリット:
キャッシュデバイスでの処理となるため、有効化していない環境と比較してパフォーマンスが低下する

さらにデータの種類によっては重複排除する重なっている部分が少ない場合もあります。

そんなパフォーマンスを優先しつつも容量効率性を向上させたい!という要望のために圧縮のみオプションの実装となりました。

圧縮はキャッシュデバイスからキャパシティデバイスへのデステージ時の処理となり、仮想マシンのパフォーマンスには影響が少ないです。

 

 

その他のアップデートはその3へ!

 

 

vSAN 7 Update 1 、アップデート!概要編 そのいち

vSAN 7 Update 1 GA!!!