ハートビート、といえばvSphere HA。
クラスタの機能でホスト障害やネットワーク障害が発生した際に、仮想マシンを自動的に再起動させる嬉しい機能です。
3Tier 構成の物理共有ストレージからvSAN を使ったHCI 構成になった場合、何か違いがあるのか?
知っておいて欲しいことをまとめていきます!
この2017年の記事から新しい変更点はありません!
が、整理し直して、覚えておいてほしいことを中心に説明しいきます!
リソースとHA のお話
やっぱりわかりやすい公式ドキュメントといえばVMware Docsです。
そして図があって実際の操作画面も載っているTech Zone、通称Core
vSAN Availability Technologies | vSAN and vSphere High Availability (HA) Integration
VMware vSAN Design Guide | vSphere HA considerations
これらの内容をもとに詳細を書いていきます。
複数ホストを束ねるクラスタで活用されるのがvSphere HAです。
現在では当たり前のように使われていますよね。
vSphere HA は、仮想マシンとそれが配置されたホストをクラスタにプールすることで、仮想マシンに高可用性を提供します。クラスタ内のホストは監視され、障害発生時には、その故障したホスト上の仮想マシンが別のホスト上で再起動されます。
この機能により、クラスタに紐づけられた共有データストアに配置されている仮想マシンがホストやネットワーク障害時に異なるホストで再起動されます。
障害発生時のダウンタイムの短縮が可能になります。
vSphere HA の発動を判断する方法は、ネットワークハートビートです。
HA のエージェント間のトラフィック疎通を確認します。
そして、より詳細な状態を判断するために、下記2つがあります。
データストアハートビート:ホスト障害またはネットワーク障害を判断
隔離アドレスへのping:ホストが隔離/パーティション状態かを判断
この3つの情報をもとに、HA が行われます。
vSphere HA +物理ストレージ構成
ハートビートネットワークは管理ネットワークです。
管理ネットワークの通信が可能かどうか、ホスト間トラフィックで判断されます。
vSphere HA + vSAN 構成
3Tier 構成と異なるところがこちら!
ハートビートネットワークはvSAN ネットワークです。
vSAN データストアはクラスタに対して単一の共有データストアを提供するので、vSANデータストアをハートビートデータストアとして指定することはできません。
- ホスト隔離への対応 → パワーオフして再起動
隔離状態となったホストで稼働している仮想マシンの対応については残られると不整合が発生してしまうため、強制的に異なるホストで起動させるようにします。 - das.useDefaultIsolationAddress → false
デフォルトで管理ネットワークのデフォルトゲートウェイが隔離アドレスとなっているので、無効化します。 - das.isolationAddressX → vSAN ネットワーク上のIP を設定(例:vSAN ネットワークで使用しているスイッチのデフォルトゲートウェイ等)
ハートビートネットワーク=vSAN ネットワークなので、vSAN ネットワーク上のIPアドレスを指定します。
HA のデフォルト設定だと、ホスト隔離への対応は無効になっているのでパワーオフして再起動へ変更が推奨となります。
隔離アドレスについては詳細オプションへの追加を行います。
これでvSAN + HA の基本設定は終了です!
次回は2ノード/ストレッチクラスタ構成について書いていきたいと思います。