"HCI" はじめました。

vSAN担当小佐野舞です。VMwareのHCIを広めるため日々活動していきます。

vSAN 7 Update 3 詳細編③ クラスタ一括シャットダウン

定期的なメンテナンス、緊急を要するメンテナンス、停電対応など、環境全体をシャットダウンしなければならないタイミングもあるかと思います。

そんなとき、起動時に正常にあがってくるようにするためには、アプリケーション、ミドルウェア、OS、そしてハイパーバイザの起動停止手順のドキュメントを整備して日々行なっているのではないでしょうか。

複数のコンポーネントが組み合わされて出来上がったシステム、毎日行うことではないからこそできるだけシンプルになっていると嬉しいですよね。

 

vSAN 7.0 U3 の話をする前に、vSAN 環境での起動停止について簡単に説明したいと思います。

f:id:vmwarekkHCI:20220304173131p:plain

停止手順から見ていくと。

全ての仮想マシンの停止、そしてホストのメンテナンスモードへの移行、シャットダウンという流れになります。

f:id:vmwarekkHCI:20220304175534p:plain

物理ストレージの3Tier 環境と異なるのはESXi とストレージ(vSAN)が一体化していることです。

そのため、vCenter がクラスタ内=vSAN データストアに格納されている場合もあるため、vCenter を落とさないとホストをメンテナンスモードに移行できません。

起動手順は停止手順の逆で、ホストの起動、メンテナンスモードの解除、仮想マシンの起動を行います。

vCenter をシャットダウン/起動されていない状態の場合、Host Client またはCLIでの操作となります。

 

このような計画停止/起動をシンプルにするためにvSAN 7.0 U3 で実装されたのが、

クラスタ一括シャットダウンウィザード

です!

f:id:vmwarekkHCI:20220304175652p:plain

HCI の場合、管理コンポーネントからハイパーバイザ、ストレージまで1つのセットになっているアプライアンスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ワンクリックセットアップ、ワンクリックアップグレード、ワンクリックシャットダウンなど、ワンクリックで簡単に導入から運用までできますよ!と言われているものもあります。

vSAN の場合はさまざまなハードウェアベンダーさんのサーバでHCI として活躍しているので、全てのサーバに対応したワンクリックを実装しづらいという背景もあります。

 

f:id:vmwarekkHCI:20220304175425p:plain

そこで、できるだけ簡略化した手順を提供するためにクラスタ一括シャットダウンウィザードをつくりました!

シャットダウンできるかどうかの事前チェック、上記にあげた停止手順を自動的に実施します。

 

f:id:vmwarekkHCI:20220304175847p:plain

事前チェックでは仮想マシンのパワーオフ、vSAN クラスタ内のvCenterの有無、vSAN 健全性 が確認され、全てクリアした正常な状態であることが確認された場合、クラスタの一括シャットダウンをワンクリックで行うことができます。

起動についてもホストの起動は手動ですが、クラスタ内vCenter の場合、起動は自動的に行われ、メンテナンスモードの解除はvSAN サービスの再起動をクリックすることで実施されます。

 

では次回は実際にvSAN 7.0 U3c 環境のクラスタ一括シャットダウンしてみた!をポストします!

 

 

vSAN 7.0U3 シリーズ

vSAN 7 Update 3 GAしました...!(サマリ編)

vSAN 7 Update 3 詳細編① 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その1

vSAN 7 Update 3 詳細編② 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その2