ストレッチクラスタの障害時の挙動を書こうと思っていたのですが、あれ?もしかしてポリシーのところ古いままだな...と最後に更新したストレッチクラスタ記事(2018年4月)を見返していて発見しました。
vSAN ストレッチクラスタ⑤:ストレッチクラスタの仮想マシンのストレージポリシー
プライマリレベルのFTT(PFTT)、セカンダリレベルのFTT(SFTT)という表現ではなくなりました!
ストレッチクラスタを使用している場合と通常のvSANクラスタの場合でややこしくなっていた、PFTTとSFTT。
よりわかりやすく!設定時に使う用語が変わったのでご紹介です。
仮想マシンのストレージポリシー作成時、vSAN のルールを決めましょうという画面です。
可用性のタブの下、2種類の項目があります。
サイトの耐障害性
許容される障害の数
初期画面では
サイトの耐障害性 なし-標準クラスタ
となっています。
同一サイトに展開されたホストで、通常のvSAN クラスタでのポリシーのデフォルトとなります。
注目したいのは、サイトの耐障害性です。
プルダウンを開いてみると。
なし - 標準クラスタ
なし - ネストされたフォルトドメインを持つ標準クラスタ
デュアルサイトミラーリング(ストレッチクラスタ)
なし - 優先サイトにデータを保持(ストレッチクラスタ)
なし - 非優先サイトにデータを保持(ストレッチクラスタ)
なし - ストレッチクラスタ
6つの選択肢があります。
ストレッチクラスタに注目してみると4つあります。
デュアルサイトミラーリング(ストレッチクラスタ)
いわゆるストレッチクラスタ、サイト間でミラーリングをします。
なし - 優先サイトにデータを保持(ストレッチクラスタ)
ストレッチクラスタに配置する仮想マシンに割り当てるポリシーで、優先サイト(プライマリサイト)にのみデータを保持します。
イコール、プライマリサイトのみで稼働する仮想マシンにしか使えません。
なし - 非優先サイトにデータを保持(ストレッチクラスタ)
上と反対の、非優先サイト(セカンダリサイト)にのみデータを保持します。
イコール、セカンダリサイトのみで稼働する仮想マシンにしか使えません。
なし - ストレッチクラスタ
これは説明が見つからず、試しに作ってみました。
ストレッチクラスタですが、サイトの考え方を無視してクラスタ内のホストにコンポーネントが配置されます。
サイト間ミラーリングになったり、サイト内におさまったり、ウィットネスだけセカンダリにいたりと、空いているところに配置します。
これは使うことはないと思います。
許容される障害の数は今まで通りです。
サイトの耐障害性でデュアルサイトミラーリングを選択、かつ許容される障害の数で1件の障害-RAID-1(ミラーリング)を選ぶと、サイト間でミラーリングかつローカル保護もミラーリングとなります。
サイトの耐障害性でデュアルサイトミラーリングを選択、かつ許容される障害の数で1件の障害-RAID-5(イレージャーコーディング)を選ぶと、サイト間でミラーリングかつローカル保護もRAID-5となります。
サイトの耐障害性でデュアルサイトミラーリングを選択、かつデータの冗長性なしを選ぶと、ローカル保護なし、ストレッチクラスタがリリースされた直後のサイト間ミラーリングのみの構成となります。
ストレッチクラスタは稼働している全ての仮想マシンが自動的に完全同期されるわけではありません。
異なるポリシーを作成し、プライマリサイトのみで稼働するもの、セカンダリサイトのみで稼働するもの、ローカル保護するしないを柔軟に設定できます。
完全同期のクラスタを簡単に導入でき高可用性が必要なものだけサイト間ミラーリング、他仮想マシンは通常と変わらずに運用することができるのは嬉しいですね。
vSAN ストレッチクラスタ②:ストレッチクラスタの要件 そのいち