"HCI" はじめました。

vSAN担当小佐野舞です。VMwareのHCIを広めるため日々活動していきます。

vSAN 7 Update 3 詳細編③ クラスタ一括シャットダウン

定期的なメンテナンス、緊急を要するメンテナンス、停電対応など、環境全体をシャットダウンしなければならないタイミングもあるかと思います。

そんなとき、起動時に正常にあがってくるようにするためには、アプリケーション、ミドルウェア、OS、そしてハイパーバイザの起動停止手順のドキュメントを整備して日々行なっているのではないでしょうか。

複数のコンポーネントが組み合わされて出来上がったシステム、毎日行うことではないからこそできるだけシンプルになっていると嬉しいですよね。

 

vSAN 7.0 U3 の話をする前に、vSAN 環境での起動停止について簡単に説明したいと思います。

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停止手順から見ていくと。

全ての仮想マシンの停止、そしてホストのメンテナンスモードへの移行、シャットダウンという流れになります。

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物理ストレージの3Tier 環境と異なるのはESXi とストレージ(vSAN)が一体化していることです。

そのため、vCenter がクラスタ内=vSAN データストアに格納されている場合もあるため、vCenter を落とさないとホストをメンテナンスモードに移行できません。

起動手順は停止手順の逆で、ホストの起動、メンテナンスモードの解除、仮想マシンの起動を行います。

vCenter をシャットダウン/起動されていない状態の場合、Host Client またはCLIでの操作となります。

 

このような計画停止/起動をシンプルにするためにvSAN 7.0 U3 で実装されたのが、

クラスタ一括シャットダウンウィザード

です!

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HCI の場合、管理コンポーネントからハイパーバイザ、ストレージまで1つのセットになっているアプライアンスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ワンクリックセットアップ、ワンクリックアップグレード、ワンクリックシャットダウンなど、ワンクリックで簡単に導入から運用までできますよ!と言われているものもあります。

vSAN の場合はさまざまなハードウェアベンダーさんのサーバでHCI として活躍しているので、全てのサーバに対応したワンクリックを実装しづらいという背景もあります。

 

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そこで、できるだけ簡略化した手順を提供するためにクラスタ一括シャットダウンウィザードをつくりました!

シャットダウンできるかどうかの事前チェック、上記にあげた停止手順を自動的に実施します。

 

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事前チェックでは仮想マシンのパワーオフ、vSAN クラスタ内のvCenterの有無、vSAN 健全性 が確認され、全てクリアした正常な状態であることが確認された場合、クラスタの一括シャットダウンをワンクリックで行うことができます。

起動についてもホストの起動は手動ですが、クラスタ内vCenter の場合、起動は自動的に行われ、メンテナンスモードの解除はvSAN サービスの再起動をクリックすることで実施されます。

 

では次回は実際にvSAN 7.0 U3c 環境のクラスタ一括シャットダウンしてみた!をポストします!

 

 

vSAN 7.0U3 シリーズ

vSAN 7 Update 3 GAしました...!(サマリ編)

vSAN 7 Update 3 詳細編① 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その1

vSAN 7 Update 3 詳細編② 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その2

 

VMWorld 2021 ハイライト!VMware のHCI の話題は?

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昨年のVMWorld で紹介されていたvSAN 関連トピックはこんな感じでした。

 

今回のVMWorld Japan ではですね、こんな↓ラインナップでした。

オンデマンド配信中です!

お客様事例が録画で見られるのは嬉しいですね。

  • Day2 11/26 11:10-11:50
    MC11430 : お客様事例】 JR東日本グループの VMware vSAN 基盤から学ぶ、トラブらないインフラ作りとは?
    https://vmworld.jp/content/MC11430/

  • Day2 11/26 16:10-16:50
    MC11706 :【お客様事例】NTTドコモが目指す5GMECの活用
    https://vmworld.jp/content/MC11706/

  • Day 1 : 11/25 14:30-15:10
    MC11109 : アプリケーションのコンテナ化を検討されている方必見! VMware vSAN CNS で実現できるコンテナのためのシンプルなインフラ構築
    山道 幹大 (クラウドプラットフォーム技術統括部 シニア HCI スペシャリスト)
    https://vmworld.jp/content/MC11109/
  • Day 2 : 11/26 12:00-12:40
    MC11108 :安定性と性能向上の鍵はアップグレード! あなたの知らない VMware vSAN の進化を徹底解説
    小佐野 舞 (クラウドプラットフォーム技術統括部 シニア HCI スペシャリスト)
    https://vmworld.jp/content/MC11108/
  • Day 2 : 11/26 15:20-16:00
    MC11112 : [はじめてのHCI] ヴイエムウェアのエンジニアは見た!! VxRail で実現するハッピーな運用管理者生活
    内野 賢二 (パートナー SE 本部 パートナー第一 SE 部 リードソリューションアーキテクト)
    https://vmworld.jp/content/MC11112/

 

 

もう3月になってしまいましたね。。

2月が一瞬で消えてしまった気分です。

年度末のお忙しい時期かと思いますが、気軽にサクッと!来年度に向けた準備に、ご活用ください!

 

 

 

続きを読む

vSAN 7 Update 3 がダウンロードできるようになりました!

先週連休前、雪に備えて野菜を買っておこうとスーパーに行ったら、同じことを考えている人が多かったのか野菜売り場がスカスカでした。。

私の家の周りは全然積もらず、雪遊び2回目は延期となりちょっと残念です。

 

 

 

10月にGAしたvSAN 7.0 Update 3 ですが、下の記事にもある通りダウンロードできない状況が続いておりました。

Important Information on ESXi 7 Update 3 - VMware vSphere Blog

アップデート情報はお伝えしつつも、いつ使えるようになるのかなぁと思っていた方も多いかと。

 

2022/1/27からU3c のダウンロードができるようになりました!

ダウンロード/公式情報はこちらから

vSphere / vSAN 7.0 Update 3 ダウンロード

VMware vSAN 7.0 Update 3 リリース ノート

vSAN 7 Update 3 - What's New 

 

 

あわせてご案内したいのが、こちら。

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【ビデオ】 vSphere / vSAN オンラインセミナー#41 vSphere / vSAN 最新情報アップデート! | IT価値創造塾

先日実施したオンラインセミナーの中でU3 について紹介していますので、まず知りたいという方はリンクのオンラインセミナーアーカイブも見ていただけると全体的なアップデートがわかりやすいです!

資料ダウンロードもできます。

 

 

引き続きU3 の詳細情報についても更新していきまーす!

vSAN 7 Update 3 詳細編② 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その2

みなさま、こんにちは。

この記事は久しぶりに出社した曲面ディスプレイで書き始めてみました。

広角で撮るとより違和感です。

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前回はこちら

vSAN 7 Update 3 詳細編① 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その1

 

2ノードvSAN クラスタユースケースとして、拠点やエッジが挙げられます。

データセンタではなく、そこで収集、実行すべきアプリケーションを稼働させる基盤として、末端だから可用性は低くて良い、そんなことはありません。

だからこそ、2ホストの2重障害*にも耐えられる、Nested フォルトドメイン!!!

 

*ホスト2台の障害ではありません。

ホスト1台+異なるホストのストレージデバイス障害

各ホストの同時ストレージデバイス障害

などの2つの同時障害という意味となります。

詳しく説明していきますね。

 

通常の2ノードクラスタの場合の障害時の挙動の復習です。

まず、各ホストにデータがミラーリングされていることから、1ホストの障害でも仮想マシンを継続稼働させることが可能です。

(通常のvSAN 構成と同様のFTT=1 ミラーリングはホスト1台の障害を許容します)

 

障害のパターンとして2つ例に挙げます。

  1. ストレージデバイス障害
    各ホスト単一ディスクグループの場合:ホスト障害と同様の挙動となります。
    各ホストに複数ディスクグループがある場合:障害が発生している同一ホスト内の異なるディスクグループに空き容量があれば、再同期が行われます。
  2. ホスト障害
    下の図で詳しく説明していきます。

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ストレージポリシー

サイトの耐障害性 なし

許容する障害の数 1 (ミラーリング)

ホスト#1で稼働している仮想マシンのVMDKはホスト#1、ホスト#2の両方に書き込まれます。

 

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ホスト#1に障害発生!

ホスト#1上で稼働している仮想マシンは電源断の状態となり、ローカルデバイスに保管されているVMDKに対してもアクセスできなくなります。

ホスト#2で稼働している仮想マシンについては影響なく稼働し続けます。

 

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ホスト#1上で稼働していた仮想マシンはHAによりホスト#2上で起動します。

HAによる再起動、です。

もちろんホスト#2で稼働していた仮想マシンはそのまま動き続けます。

 

 

では、Nested フォルトドメインが有効な場合の障害時の挙動を見ていきましょう。

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ストレージポリシー

サイトの耐障害性 ホストミラーリング(2ノード)

許容する障害の数 1 (ミラーリング)

 

障害のパターンとして3つ例に挙げます。

いずれもホスト#1上の仮想マシンは稼働し続けるシナリオです。

  1. ストレージデバイス障害
  2. ホスト障害
  3. ホスト障害とストレージデバイス障害

 

1.ストレージデバイス障害

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ホスト#2のストレージデバイス障害が発生した場合、そのストレージデバイスに配置されているVMDKにアクセスできなくなります。

キャッシュデバイスの障害の場合はディスクグループ全体にアクセスできなくなります。

ホスト#1、ホスト#2上の仮想マシンは稼働し続けます。

 

 

2.ホスト障害

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ホスト#2のホスト障害が発生した場合、ホスト#2のVMDKにはアクセスできなくなります。

ホストミラーリングされていることによって、ホスト#1上の仮想マシンは稼働し続けます。

ホスト#2上で稼働していた仮想マシンは自動的にホスト#1で再起動されます。

 

 

3.ホスト障害とストレージデバイス障害

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ホスト#2の障害とホスト#1のストレージデバイス障害が同時に発生した

同時ではなくても

ホスト#2のメンテナンス中にホスト#1のストレージデバイス障害が発生してしまった!

という場合。

Nested フォルトドメインで同一ホストの異なるディスクグループにもVMDKがあるため、ホスト#1上の仮想マシンは稼働し続けます。

ホスト#2上で稼働していた仮想マシンは自動的にホスト#1で再起動されます。

 

 

必要容量はホストミラーリングで2倍、さらにNested フォルトドメイン(ホスト内保護)により2倍となります。

仮想マシン1台 VMDK 40GBの場合:

ホストミラーリング 40GB x2 = 80GB

ホスト内保護    80GB x 2 = 160GB

ざっくりこのような試算になります。

 

2ホストだからこそ。

障害時/メンテナンス時の可用性を高める必要性がある場合にはこのNested フォルトドメインを活用いただくことで、安心安全の2ノードvSAN を構成いただけます。

そのためには倍の容量が必要となります。

強固な保護のために支払うのは倍の容量、ということですね...

ただですね、このNested フォルトドメインの設定はストレージポリシーで定義します。

ホストミラーリングかつホスト内保護を行うか、ホストミラーリングのみを行うか、選べます!

ストレッチクラスタ のローカル保護/サイト保護でも同様ですが、どの仮想マシンを重点的に保護するか、必要に応じて設定できることがvSAN の強みですね!

 

 

 

ということで久しぶりに2ノードについて書いたら長くなってしまいました。

その他のU3アップデートについてもまとめていきたいと思ってますので、引き続きよろしくお願いします!

vSAN 7 Update 3 詳細編① 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その1

10月上旬のU3 GAからちょっと間があいてしまいました。

追加機能、エンハンスメントなどどのようなアップデートがあったのか詳細編のシリーズを始めたいと思います!

 

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ダウンロード/公式情報はこちらから

vSphere / vSAN 7.0 Update 3 ダウンロード

VMware vSAN 7.0 Update 3 リリース ノート

vSAN 7 Update 3 - What's New 

 

 

今回も管理性周りのアップデートが多めに見えますが、2ノードやストレッチクラスタでのアップデートはこれこれ欲しかったんだよね!というものがvSAN ファンの方には響くのではないでしょうか。

まずは2ノードvSAN 構成におけるNested フォルトドメインから紹介していきます。

 

Nested というと思いつくのはNested ESXi でしょうか。

ハイパーバイザ上に仮想ESXi を並べて、動作確認や物理的に用意が難しい台数での検証を行うことができます。

今回のNested フォルトドメインはどちらかというとソフトウェアRAID と呼んでも良いかもしれません。

 

まず2ノードvSAN 構成の復習です。

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2ノードvSAN は

から構成されます。

 

構成要素をソフトウェアとしてあげると3種類となります。

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ウィットネスアプライアンス以外は通常のvSAN クラスタと同様です。

クラスタの作成、運用管理のためのvCenter 、ハイパーバイザとしてのESXi、共有ストレージのためのvSAN からHCI 環境を構成しています。

ここで出てくるのはウィットネスアプライアンス

vSAN のストレージ要件を定義するストレージポリシー管理でミラーリング(FTT=1)を設定した場合、データコンポーネントが異なる2ホストに配置され、もうひとつウィットネスコンポーネントが他のホストに配置されます。

 

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2ノードvSAN クラスタの場合、データを配置するための2ホストしかないため、ウィットネスコンポーネントを配置するための仮想アプライアンスが必要となります。

 

今回のNested フォルトドメイン機能において重要になってくるのはディスクグループです。

ディスクグループとは?

vSAN の用語および定義

ディスク グループ

ディスク グループは、ホストおよび物理デバイス グループでの物理ストレージ キャパシティの単位です。これにより、vSAN クラスタのパフォーマンスと容量が決まります。搭載しているローカル デバイスを vSAN クラスタに提供する各 ESXi ホストでは、デバイスがディスク グループに編成されます。

各ディスク グループには、1 つのフラッシュ キャッシュ デバイスと 1 つ以上のキャパシティ デバイスが含まれている必要があります。キャッシュで使用されるデバイスは、ディスク グループ間での共有や、その他の目的で使用することができません。1 つのキャッシュ デバイスは、1 つのディスク グループ専用にする必要があります。ハイブリッドのクラスタでは、キャッシュ レイヤーにフラッシュ デバイスが使用され、ストレージ キャパシティ レイヤーに磁気ディスクが使用されます。オールフラッシュ クラスタでは、キャッシュとキャパシティの両方でフラッシュ デバイスが使用されます。ディスク グループの作成および管理の詳細については、「VMware vSAN の管理」を参照してください。

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つまりこういうことになります。

1本のキャッシュデバイスと1本以上のキャパシティデバイスからなるグループで、ホストに最大5つまで作成することができます。

この図ではホストに3つのディスクグループがありますね。

フラッシュデバイスのみの場合はオールフラッシュ構成、キャッシュがフラッシュデバイス+キャパシティがHDDの場合はハイブリッド構成となります。

キャパシティデバイスにフラッシュデバイスとHDDを混在することはできません。

 

2ノード構成で7.0U2までの場合の2ノード構成ではこのようなオブジェクトの配置となっていました。

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ストレージポリシーはこんな感じでした。

サイトの耐障害性 なし

許容する障害の数 1 (ミラーリング)

Nested フォルトドメインの機能がないので、FTTでしか可用性の定義を行えません。

この場合でもVMDKを保持している1ホストの障害でも仮想マシンは稼働し続けることができます。

 

 

では!今回vSAN 7.0 U3 となり、3つ以上のディスクグループがあり、かつNested フォルトドメインを使用するとどうなるのでしょうか?

サイトの耐障害性 ホストミラーリング(2ノード)

許容する障害の数 1 (ミラーリング)

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VMDKが2つから4つになりました。

3つのディスクグループにそれぞれ、データ、データ、ウィットネスのコンポーネントが配置されます。

容量は通常の倍必要となりますが、耐障害性が向上します。

2ノードクラスタでもホスト障害時またはメンテナンス時、1ホストのみで稼働している際にストレージデバイス障害が発生しても、仮想マシンが稼働し続けることが可能になりました。

 

 

今日はちょっと書いていて息切れしてきたので、次のポストで障害時の挙動についてまとめていきたいと思います。

 

 

 

vSAN 7.0U3 シリーズ

vSAN 7 Update 3 GAしました...!(サマリ編)

vSAN 7 Update 3 詳細編① 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その1

vSAN 7 Update 3 詳細編② 2ノードクラスタにおける可用性の向上 その2

よく読まれていた記事ランキング 2021年!!!

久しぶりのポスト、何を書こうかなと迷い続け今日まで来てしまいました。

 

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昨年1年間でアクセス記事ランキングをまったくしていなかったので、新年はここから始めようと思います。

 

 

第1位

vSAN ストレッチクラスタ①:ストレッチクラスタとは?

ストレッチクラスタ の人気がここ数年のトレンド、というのもマニュアル以外の日本語読み物がないからでしょうか...

ストレッチクラスタの最新情報についてもこのシリーズに追加していきますので、引き続きわかりやすく書いていきたいと思います。

公式ドキュメントはこちら!

VMware Doc:ストレッチ クラスタを使用して 2 つのサイトにデータストアを拡張する

Core(Chrome で右クリック翻訳がわかりやすい):vSAN Stretched Cluster Guide

 

第2位

目で見てわかりやすい、vSAN のアーキテクチャ!

障害時の挙動がHOLいらずで確認できる優れものページを紹介した記事です。

こちらのブログでちょっとだけ解説しているので、ポリシーを変更してどんな動きになるのか、まだ見ていない方はぜひ!

 

第3位

vSphere HA とvSAN、ハートビート 

vSphere に組み込まれたvSAN の1番の外部ストレージ利用時のHA クラスタとvSAN クラスタの違いといって良い考え方の違いです。

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公式ドキュメントはこちら!

vSAN および vSphere HA の使用

 

 

第4位

vSAN 6.7 U3 アップデート!詳細編③ 

これはおそらく検索キーワード"WSFC vSAN"かな?と思いましたが、さらに"WSFC vSAN 6.7" かもしれません。

Core にかなり充実したデプロイや関連情報があるのですが見つけにくいかも...と思ったので、こちらに貼っておきます。

Business Critical Application Reference Architectures

Oracle 環境とWindows 環境についてのクラスタリングでの構築手順やテスト結果がドキュメント化されています。

 

第5位

VMware vSAN 6.7U1 って今どうなってるの? ③ 障害復旧編

どのようにDay2 オペレーションを行うか、障害時どこを見れば良いのかを探している方が多いということですね。

このあたり、改めて、2022年バージョンでまとめたいと思います。

 

 

 

2022年もVMware vSAN 、VMware のHCI をよろしくお願いします!

サイジング - vSAN で使用するメモリ 2021年Ver.

ハードウェア選定時に必ず出てくるのが、メモリのサイジング。

2021年8月あたりに定数が変更になっていたので2019年10月の下記ポストの続編とご理解いただければと思います。

サイジング - vSAN で使用するメモリ New!!!

考え方や計算方法についてはほぼ前回の記事から変わっていないので、まず変更があった点から。

 

Understanding vSAN memory consumption in ESXi 6.x and 7.x (2113954)

日本語訳のものはまだ修正が行われていないため、英語のKBはこちらです。

 

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定数

  • All-Flash
    • HOST_FOOTPRINT = 8610 MB
    • CAPACITY_DISK_FOOTPRINT = 240 MB (ALL_FLASH)
    • CACHE_DISK_FOOTPRINT = 15 MB (ALL_FLASH)
    • DISKGROUP_FIXED_FOOTPRINT = 8420 MB (ALL_FLASH) (*1,*2)
    • DISKGROUP_SCALABLE_FOOTPRINT = 0.5% of system memory 
  • Hybrid
    • HOST_FOOTPRINT = 8610 MB
    • CAPACITY_DISK_FOOTPRINT = 300 MB (HYBRID)
    • CACHE_DISK_FOOTPRINT = 10 MB (HYBRID)
    • DISKGROUP_FIXED_FOOTPRINT = 7840 MB (HYBRID)
    • DISKGROUP_SCALABLE_FOOTPRINT = 0.5% of system memory (*3)

 

*1) 重複排除が有効な場合、1ディスクグループあたり30MBを追加

*2) 圧縮のみ有効の場合、1キャパシティディスクあたり39.5MBの追加

*3) ハイブリッド構成の場合、スケーラブルフットプリントはシステムメモリの0.5%またはキャッシュディスクサイズの0.2%のいずれか小さい方でサイジング

 

細かくサイジングするとなるとこの定数たちを理解した上での計算が必要となります。

ベース(HOST_FOOTPRINT)は約8GB、またディスクグループの構成により変わってきます。

 

vSANFootprint = HOST_FOOTPRINT + NumDiskGroups * DiskGroupFootprint

 

ディスクグループあたりの計算式は長いので、エクセルで作ってしまう方が良いですね。。

DiskGroupFootprint = DISKGROUP_FIXED_FOOTPRINT + DISKGROUP_SCALABLE_FOOTPRINT + CacheSize * CACHE_DISK_FOOTPRINT + NumCapacityDisks * CAPACITY_DISK_FOOTPRINT

 

項目ごとの説明は下記となります。

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HOST_FOOTPRINT:
ディスクグループの数に関係なく、vSAN を使用するホストごとに固定で消費するメモリ

NumDiskGroups:
ホストあたりのディスクグループの数(1から5)

DiskGroupFootprint:
ホストのディスクグループあたりで必要なメモリ

NumCapacityDisks:
各ディスクグループに所属するキャパシティディスクの本数

CAPACITY_DISK_FOOTPRINT:
キャパシティディスクの容量に関係なく、キャパシティディスク1本あたりで必要なメモリ

DISKGROUP_FIXED_FOOTPRINT:
ホストあたりのひとつのディスクグループに必要なメモリ

DISKGROUP_SCALABLE_FOOTPRINT:
ESXiホストの物理メモリを基準とした各ディスクグループで必要なメモリ

CacheSize:
キャッシュディスクの容量(オールフラッシュの場合は最大600GB、ハイブリッドの場合は最大2TB)

CACHE_DISK_FOOTPRINT:
キャッシュディスクの容量(GB)ごとに必要なメモリ

 

 

 

 

 

計算方法は変わっていないのですが、よくある『オールフラッシュ構成2ディスクグループ/圧縮のみ』の計算を見ていきましょう。

キャパシティディスクは3本、キャッシュサイズは最大値の600GB、ホストメモリは256GBでの計算です。

 

HOST_FOOTPRINT + NumDiskGroups * (DISKGROUP_FIXED_FOOTPRINT + DISKGROUP_SCALABLE_FOOTPRINT + CacheSize * CACHE_DISK_FOOTPRINT + NumCapacityDisks * CAPACITY_DISK_FOOTPRINT + NumCapacityDisks * 39.5)

 

それぞれの固定値、今回の構成を入れた数値がこちらです。

HOST_FOOTPRINT=8610MB

NumDiskGroups=2つ

DISKGROUP_FIXED_FOOTPRINT=8420MB

DISKGROUP_SCALABLE_FOOTPRINT = ホストメモリ256GB*0.5% = 1310 MB 

CacheSize=600GB

CACHE_DISK_FOOTPRINT=15MB

NumCapacityDisks=3本

CAPACITY_DISK_FOOTPRINT=240MB

圧縮のみの追加分=39.5MB

 

実際に計算してみると

8610+2**1+(3*240+3*39.5))

= 47747MB

 

通常はホストあたりでどれくらいvSANやESXi のシステムとして使用するのか、同一クラスタに管理系サーバが乗るのか、まで考慮した形で、ユーザが使用するための仮想マシンをどれくらいおけるのかを正確にサイジングすることができます。

 

 

*1:8420+1310+(600*15

VMWorld Japan 2021 vSAN 関連のおすすめセッション

もうそろそろVMWorld Japan 2021への何か嬉しいものがもらえるかも?!な早期ご登録期限が近づいてきております。

vmworld.jp

2021年11/25(木)-26(金) オンラインイベントにて開催

ご登録はこちらから!

 

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今回はHCI,vSAN VCF 関連のおすすめセッションをまとめましたので、セッション登録の参考にしていただければと思います。

 


MC11430
11/26(金)12:00-12:40
【お客様事例】 JR東日本グループの VMware vSAN 基盤から学ぶ、トラブらないインフラ作りとは?
https://vmworld.jp/content/MC11430/

かなり古くからお使いいただいています。

そんなJR東日本様の仮想基盤についてHPEさんとお話しいただけるようです。

 


MC11108
11/26(金)12:00-12:40
安定性と性能向上の鍵はアップグレード! あなたの知らない VMware vSAN の進化を徹底解説
ここでしか見られないパフォーマンス情報あります
https://vmworld.jp/content/MC11108/

わたくしのセッションです。

最新U3、性能とアップグレードのお話をさせていただきます。

 


MC11109
11/25(木) 14:30-15:10
アプリケーションのコンテナ化を検討されている方必見! 
VMware vSAN の CNS で実現できるコンテナのためのシンプルなインフラ構築
https://vmworld.jp/content/MC11109/

どんな感じに仕上がるのでしょうか。とても楽しみです。

あまりブログでも触れられていない部分がたくさん入っていると思います!

 


MC11110
11/25(木) 12:50-13:30
VMware Cloud Foundation, VMware vSAN HCI インフラ設計 Deep Dive
https://vmworld.jp/content/MC11110/

VCF はSDDC を実現するソリューションです。

サーバ、ストレージ、ネットワーク、ライフサイクル全部入りなVCF の実際の設計ってどうすればいいの?という方におすすめ。

 


MC11111
11/26(金)12:50-13:30
VMware Cloud Foundation の導入を失敗させないためのポイントと導入や運用に役立つ便利機能のご紹介
https://vmworld.jp/content/MC11111/

VCF だけでなく、vSAN に関してもクラスタ鉄板構成!を知りたい方におすすめ。

 


MC11112
11/26(金)12:50-13:30

[はじめてのHCI] ヴイエムウェアのエンジニアは見た!! VxRail で実現するハッピーな運用管理者生活
- Dell EMC VxRail で実現するプライベートクラウド基盤と運用改善をご紹介!! -
https://vmworld.jp/content/MC11112/

楽しそうなタイトルですねぇ。アプライアンスにんご興味がある方はこちらを!

VxRail はVMwareDellさん共同開発のHCI アプライアンスで、もちろんストレージはvSAN です。

 

 

それぞれのメンバが鋭意準備しておりますので、ご登録よろしくお願いします!

オンラインセミナーのご紹介

オンラインセミナー続々!

VMWorld Japan も控えており準備を粛々と行なっておりますが、その前にもいくつかセミナーがありますのでご紹介です。

 

申し込み期限が迫っておりましたが、ぜひこの機会に!

 

 

 

1つ目

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VxRail導入事例に学ぶ Vol.1 ~なぜ徳洲会様はHCIをVxRailに乗り換えたのか~

 

2021年10月14日(木) 14:00 - 15:00

※お申し込み締切:2021年10月13日(水) 13:00

お客様に登壇いただくセミナーは大きなイベントではありますが、個別セミナーでは少ないのではないでしょうか。

お客様の声!ぜひ聞いてみてください。

 

 

 

2つ目

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これさえ知っていれば大丈夫!HCI の運用管理の基本から応用まで! | VMwareのイベント

2021/10/20(金)14:00-15:00

先日リリースされたvSAN 7.0 U3の情報もお届けできそうです!

運用管理ついてはU2/U3 でアップデートがかなりありましたので、改めてVMware HCI /vSAN の運用管理とは?をお伝えする予定です。

絶賛資料作成中です。

 

 

 

VMWorld Japan もご登録お待ちしております!

VMWorld 2021 Japan が開催されます!

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2021/11/25(木)-11/26(金)

ご登録はこちらから。

vSAN 7 Update 3 GAしました...!

VMWorld 直前、vSAN 7.0 Update 3がGAとなりました...!

 

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ダウンロード/公式情報はこちらから

vSphere / vSAN 7.0 Update 3 ダウンロード

VMware vSAN 7.0 Update 3 リリース ノート

vSAN 7 Update 3 - What's New 

 

 

今回も管理性周りのアップデートが多めに見えますが、2ノードやストレッチクラスタでのアップデートはこれこれ欲しかったんだよね!というものがvSAN ファンの方には響くのではないでしょうか。

 

 

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今回のアップデートの柱は3つ。

 

AI / 開発者向けのインフラストラクチャ

Tanzu 環境のRWMボリュームのサポート

​Tanzu Kubernetes Grid Service (TKGS)環境でのファイルベースの ReadWriteMany (RWM) volumes がサポートされるようになりました。

vSAN のファイルサービスの用途が増えましたね!

 

ストレッチクラスタ におけるKubernetes のサポート

ブロックベース(RWO)のパーシステントボリュームを使用する場合にサポートされるようになりました。

現時点でファイルベース(RWM)のサポートはされていません。

 

パートナーソリューションの強化

新しいバージョンのオペレータやプラグインがMinIOとClaudianにおいてサポートされます。

もうひとつ、Dell EMC Ojectscaleについては後ほど発表があるようです。

 

オペレーションの簡素化

vCenter サーバに統合された VM I/O trip analyzer

仮想マシンの様子がおかしい、そんな時。必要なのは問題の切り分けと原因の特定です。

VMからストレージデバイスまでのI/Oでどこに問題があるのかvCenter から把握できるようになりました。

 

Skyline 健全性の相関性

アラート履歴の表示はUpdate 2 での実装ですが、さらに問題の関連性を確認できるようになりました。

 

ネットワーク監視の強化

新しいメトリックや健全性での項目が追加され、vSAN が接続されているスイッチファブリックの可視化がよりわかりやすくなりました。

LAG構成での問題の切り分けがしやすくなりました。

 

クラスタの起動/シャットダウンワークフローの改善

クラスタ全体のシャットダウンを行う際に、過去記事こちらのKBの手順の実施が必要でした。

vSAN クラスタ再起動時の問題のKB

vSAN 7.0 U3 からはvCenter からのクラスタシャットダウンプロセスに事前チェックやスクリプトが組み込まれたことにより、vSAN ではないクラスタのシャットダウンと同様に一括シャットダウンが可能です。

それ以外にもvSphere 7.0 から登場しているvCLSとの連携も行われます。

 

プラットフォームのエンハンスメント

2ノード構成におけるNested フォルトドメイン

待望の!でしょうか。

2ノード構成の場合、どちらかのノードが使用できなくなると、片肺運用という形になります。

ホスト台数を増やさずにより可用性を高めることができるホストの中に仮想ホスト(*イメージです)を作って仮想マシンを保護することができます。

 

TPM が有効なホストでのキー保持をサポート

vCenter によるNative Key Provider がvSAN データストア暗号化でも使用可能になったのは以前のアップデートですが、ホストの再起動時にキー再取得のためKMSへのアクセスが必要でした。

今回のアップデートではTPMが有効なホストでのキーの保持が可能になりました。

閉じた環境での暗号化の利用やKMSを単一で構築している場合(NKP含む)にも役立ちます。

 

ストレッチクラスタ のサイト障害時の業務継続性の向上

従来のvotes制度に加え、“Adaptive Quorum Control” (AQC)の仕組みが追加され、ウィットネスアプライアンスセカンダリサイトの障害時にプライマリサイトで仮想マシンの継続稼働が可能になりました。

前提としてローカル保護(SFTT)が有効で、順序としてはセカンダリサイト障害が発生そしてウィットネスの障害時となります。

 

 

 

 

 

詳細についてはまたアップデートを続けていきます!

VMWorld 2021 Japan 登録開始しました...!

8月にVMWorld がUSで開催され、11月にvForum が日本で開催されていましたのが懐かしいですね。

もう来週ですね!VMWorld 2021 は10/5-7に実施されます。

VMworld 2021

 

 

そして。

昨年に続き、今年もオンラインイベントとして

VMWorld 2021 Japan が開催されます!

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vmworld.jp

ご登録はこちらから。

 

セッション数が165個とかなり多いので、どれに参加するか迷いますよね。

 

コンテンツカタログ:

カテゴリから興味のあるものを探す。

タイムテーブル:

時間ごとにどのセッションに参加するかを選ぶ。

 

個人的には丸1日や半日参加する対面のイベントと同様にタイムテーブルから参加するセッションが選べるようになったのはいいなぁと思っています。

従来のイベントのように、時間と内容が一目でわかります!

この次はこのお部屋に行って、空いた時間にはブースを見て、と計画していたように、この時間割での聞きたいセッション探しをよろしくお願いします。

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HCI 関連のセッションについては別途ポストします。

 

まずはご登録を!

早めに登録するとイイことがあるそうですよー!

 

実機がなくても、見ればわかる!vSAN アーキテクチャ全部入り

以前ご紹介したこちら。

目で見てわかりやすい、vSAN のアーキテクチャ!

StorageHubの引退でリンク切れになっていたので、繋ぎ直しました!

 

そして中身をもう一度確認したところ、さまざまなアップデートがされていましたのでご紹介します。

vSAN Interactive infographic

 

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まず真ん中から。

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クリックして説明が確認できるのはこちら!

前回の記事にも書いていますが、特に仮想マシンはストレージポリシーのFTTが全て確認できるので、台数が必要なFTT=3の確認もできます。

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そして、右側にはメンテナンスモード。

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目で見てわかりやすい、vSAN のアーキテクチャ! 

過去記事で詳しく使い方を書いているので、上リンクから飛んでください。

メンテナンスモード、vSphere のみの場合と異なるストレージを考慮した場合にどのようなデータの移動があるのか?ないのか?が実際に確認できます。

 

 

今回の目玉はこちら、ストレッチクラスタ...!

いつからできていたのでしょう。気づいておりませんでした。

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ストレッチクラスタ をクリックすると、詳細が確認できます。

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どんなことが確認できるのか見ていくと。

ストレッチクラスタ の障害時の挙動を仮想マシンのオブジェクトの動きとともに見ることができます。

障害といってもストレッチクラスタ の場合さまざまあります。

サイト内障害なのか、または組み合わさった障害なのか、これらを組み合わせてそれぞれの状況下で仮想マシンの稼働は継続できるのか、HA により異なるサイトで起動するのか等を試すことができます。

 

前提として環境情報は下記となります。

各サイトは6ホストで12ホストのストレッチクラスタが構成されています。

各ホストのディスクグループは1つずつあります。

ストレージポリシーは、PFTT=1(サイト間ミラーリング)、SFTT=1 RAID 5(ローカル保護)です。

 

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プライマリサイト、セカンダリサイトの障害を選んで組み合わせます。

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  • 障害なし
  • サイト全体がオフラインの場合
  • 1ホストの障害
  • 2ホストの障害
  • 3ホストの障害

 

例えば、各サイトで「1ホストの障害」が発生したらどうなるのか?を選択する場合には下記を選択します。

Preferred Site Availability: One disk, disk group, host goes down

Non-Preferred Site Availability:One disk, disk group, host goes down

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前提に記載した通り、SFTT=1 RAID 5でローカル保護が適用されているため、プライマリサイトとセカンダリサイトの両方サイトで障害が発生した場合でも仮想マシンはプライマリサイトで稼働し続け、オブジェクトの再同期が行われることが確認できます。

実際に動きありで見る方がわかりやすいので、ぜひ試してみてください。

 

このようにサイトごとの障害を組み合わせて挙動を確認するものと、もうひとつ特定シナリオでの障害時の挙動を見ることができます。

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これらはCoreのページにあるFailure Senarioの一部を見ることができます。

vSAN Stretched Cluster Guide | VMware

  • ウィットネスがオフラインとなった場合
  • アフィニティが有効でサイト間リンクが失われた場合
  • アフィニティが無効でサイト間リンクが失われた場合
  • プライマリサイトとウィットネスがオフラインとなった場合

 

頭の中でわかっていてもなかなか整理がしづらいところもあるストレッチクラスタ

ぜひオブジェクトの動きでより深い理解をしていただけるツールとなっているのでご活用ください!

 

vSAN における構成の上限

昔はPDFで構成の上限をまとめたものが出ていましたねぇ。

更新があったものはリリースノート等に書かれていましたが、製品が多くなればそれぞれの互換性も含めて見る必要が出てきました。

 

現在はこのツールを使って確認しています。

VMware Configuration Maximum tool

vSAN も機能が増えてきているので、それぞれの機能に関する上限も簡単にチェックができます!

 

この2項目をご紹介していきます。

 

Config Max で vSAN にたどり着く手順

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まず"Select Product"で vSphere を選択します。

vSphere に組み込まれている機能 vSAN なので、ここに含まれています。

 

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"Select Version" でバージョンを選択し、カテゴリ一覧から VMware vSAN を選択します。
そして最後に View Limits をクリックします。

選択するだけだと何も画面が変わらないです。

 

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右側画面にvSAN の構成の上限一覧が表示されます。

たくさんあるように見えますが、カテゴリとしては

となります。

仮想マシンの数はVDI 環境で集約した場合、1ホストあたり何台の仮想デスクトップを配置するかに関連してきます。

ホスト、クラスタについてはvSphere と同じような内容になるので10台前後のクラスタの場合あまり意識しない数だと思います。

 

Config Max に載っていない!vSAN 機能に関する制限/考慮事項

ファイルサービス、HCI Mesh 、ストレッチクラスタについては記載がツールにはないので下記をご確認ください。

ファイルサービス

VMware Docs vSAN ファイル サービス 制限事項と考慮事項

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ⑤ ファイルサービス 

 

HCI Mesh

VMware Docs HCI メッシュとのリモート データストアの共有

vSAN HCI Mesh ③ HCI Mesh の構成の上限など

 

ストレッチクラスタ 

VMware Docs ストレッチ クラスタの設計に関する考慮事項

vSAN 7.0 Update 2 詳細編 ④ ストレッチクラスタの機能強化!

 

機能ごとにそれぞれあるのがツールに統合されるともっと見やすくなりますね。

それまではこちらでそれぞれをご確認ください。

 

2ノードクラスタ その5

その1だけ全角数字なのが気になりますが...

2ノードクラスタシリーズはこちら

2ノードクラスタ その1

2ノードクラスタ その2

2ノードクラスタ その3

2ノードクラスタ その4

 

1-3についてはその4に書いています。

  1. 2 ノード vSAN とは?
  2. 2ノード vSAN のユースケースは?
  3. 参考ドキュメントはここ!
  4. vSAN 7.0U1のアップデート - 共有ウィットネス -

 

ではvSAN 7.0U1 の2ノード構成のアップデートを見ていきましょう。

その前に。

 2ノード のvSAN クラスタを構成する場合、クラスタ1つに対してウィットネスアプライアンスが1つ必要でした。

 

単一または少数の2ノードクラスタであればそれほど気にならないと思いますが、拠点にばら撒いて数十、数百クラスタともなればクラスタごとにアプライアンスをデプロイ/運用していくのは管理者にとって負担となってきます。

障害時にはアプライアンスの再デプロイも行う必要があります。 

 

そこで!今回登場するのが、共有ウィットネス!

ウィットネスアプライアンスを複数のクラスタで使用することができるようになりました。(vSAN 7.0U1から)

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ウィットネスアプライアンスのサイズは構成によって選択します。

vCenter サーバと同じようにホスト数や仮想マシン数により異なります。

ウィットネスアプライアンスにはウィットネスコンポーネントが保管されるので、そのリソースということになります。

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共有ウィットネスを使用する際の手順はこちら

共有 Witness(監視)ホストへの 2 ノード クラスタの割り当て

2 ノード クラスタに対する共有 Witness(監視)ホストの再割り当て

右クリックして、クラスタを指定するだけで、ウィットネスアプライアンスを2ノードクラスタに接続可能です。

 

2ノードを複数拠点で使用することがより容易になりました。

ぜひ2ノードvSAN もご活用ください。

2ノードクラスタ その4

もう4年も前になるんですね...

vSphere / vSAN 6.5から機能追加された2ホストで構成するvSAN クラスタ、通称2ノードvSAN。

以前ご紹介した概要説明&構築手順はこちら。

2ノードクラスタ その1

2ノードクラスタ その2

2ノードクラスタ その3

ちょっと古いですが手順自体は変わっていないのでイメージはつかみやすいと思います。

 

今回改めて最新情報を含め2ノードvSAN について書いていきます!

  1. 2 ノード vSAN とは?
  2. 2ノード vSAN のユースケースは?
  3. 参考ドキュメントはここ!
  4. vSAN 7.0U1のアップデート - 共有ウィットネス -

 

 

1. 2ノード vSAN とは?

vSAN を構成するホストは最小何台からでしょうか?という質問をいただくことがあります。

通常のvSAN クラスタは最小3ホスト以上、4ホスト以上推奨です。

こちらが回答です。

 

2ノードクラスタは通常のvSAN クラスタではなく、

2 ノード構成の vSAN クラスタ

2 ノード構成の vSAN クラスタは、リモート オフィスや支社などの環境で使用されることが多く、通常は高可用性が必要な少数のワークロードを実行します。2 ノード構成の vSAN クラスタは同じ場所に配置された 2 台のホストで構成され、同じネットワーク スイッチに接続されるか、直接接続されます。2 ノード構成の vSAN クラスタに 3 台目のホストを監視ホストとして追加できます。監視ホストは、支社から離れた場所に配置することが可能です。通常、監視ホストは vCenter Server とともに主要サイトに配置されます。

 

 

2ノード vSAN から3ノード構成の通常のvSAN クラスタへの拡張を行うことは可能ですが、拡張というより構成変更が必要となります。

拡張が見込まれる場合は空きスロットを事前に確保しておくことや搭載するストレージデバイス容量を多めに準備すると、ホスト追加ではなくスケールアップでの対応により2ノード構成を継続できます。

 

2. 2ノード vSAN のユースケースは?

1つ目の2ノード vSAN とは、にも記載がありますが、リモートオフィスや支社などのROBOやエッジ環境で使われています。

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小売業の店舗ごとに配置されたり、複数拠点がある環境でのローカルワークロードを動かしたり、どちらの環境でも管理は中央集中型です。

2ノード vSAN が配置されているところでの完結ではなく、異なるサイトにvCenter が配置され全ての2ノード vSAN を管理しています。

 

国内では公開事例として日本製薬株式会社様の2ノード vSAN の使い方が紹介されています。

【HCI Powered by vSAN導入事例】 日本製薬株式会社 様 | IT価値創造塾

 

 

 

3. 参考ドキュメントはここ!

最近のvSAN やVMware Cloud Foundation(VCF)のドキュメントは公式マニュアルであるVMware Docs だけでなくThe Cloud Platform Tech Zone (これも公式)での更新が行われています。

 

vSAN 2-Node Cluster Guide

これを読めば、要件、構築手順、トラブルシューティング、アップグレード、さらには3ホストへの構成変更など全てが詰まっています!

Chrome をお使いの方は右クリックして日本語に翻訳すると、ほんの少し違和感があるところはありますが、日本語で読むことができます。

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VMware Docs にも2ノード vSAN に関する情報がいくつかありますが、見つけにくかったり、そこ?!というところにあったりしますので、ここを見ればわかりやすい、というところが下記となります。

 

ネットワークデザイン

2 ノード構成の vSAN クラスタ

直接接続やスイッチを置く場合のトポロジが確認できます。

 

構成手順はこちら

vSAN 監視アプライアンスのデプロイ

クイックスタートを使用したストレッチ クラスタまたは 2 ノード クラスタの構成

共有 Witness(監視)ホストへの 2 ノード クラスタの割り当て

2 ノード クラスタに対する共有 Witness(監視)ホストの再割り当て

 

 

 

 

vSAN 7.0U1 のアップデートについては次の記事でご紹介します。

続きです!

2ノードクラスタ その5