"HCI" はじめました。

vSAN担当小佐野舞です。VMwareのHCIを広めるため日々活動していきます。

モノは壊れるシリーズ④- vSAN 6.6.1までの再同期エンハンスメント

今週はお出かけしているため、更新がスローペースになりそうです。

現在、火曜日の11時です。本社に来ています! 

 

 

エンハンスメントとして下記のアップデートが紹介されています。 

リバランスおよび修復の機能強化。

ディスクのリバランス操作がさらに効率化されました。手動によるリバランス操作によってより詳細な進捗レポートが提供されます。
リバランス プロトコルが調整され、より効率的に動作し、クラスタのバランスをさらに向上させます。手動によるリバランスによって、より多くの更新情報とより詳細な進捗レポートが提供されます。
より少ないクラスタ再同期でより効率的な修復操作を行います。vSAN は、低下または不完全コンポーネントを部分的に修復して、vSAN がオブジェクトを準拠させることができない場合でも、許容する障害を増やすことができます。 

 

参考リンク

VMware Virtual SAN 6.6 リリース ノート

vSphere 6.5 P02 – What’s new with vSAN (51891)

 

 

2つ目の効率的な修復操作をおって見ていきましょう!

 

まず前提として、ミラーリング、FTT2のポリシーが適用された仮想マシンのVMDKです。

正常な状態の場合、下のように異なる5ホストにデータ本体が3つ、ウィットネスが2つ分散されます。

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いわゆる二重障害、2つのホストが同時にアクセスできない状態になりました。

この場合、データとしては3番目のホストにレプリカがあり、仮想マシンとしては継続稼働しています。

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従来、特にコンポーネントの種類により優先度等がありませんでしたが、データの復旧が優先されるようになりました。 

ウィットネスはあくまでメタデータ、データに対してアクセスできるかを判断するための投票権となるので、仮想マシンのデータではありません。

できるだけデータ部分をは早く復旧するようにします。

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ここでは5つのコンポーネント、データ3つ、ウィットネス2つのコンポーネントを配置するための正常なホストがクラスタにあり、すべてのコンポーネントが復旧され、ポリシーに準拠しすべての復旧が完了します。

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まとめ

コンプライアンスに非準拠(許容される障害数で指定したコンポーネント数を満たせていない)場合、正常な状態にするため、できるだけ多くのコンポーネントの再同期を行います。
そのほかのコンポーネントは十分なリソースがあれば再同期が実施されます
ストレッチクラスタではこの方法での再同期は行われません。

 

ほぼ意識しない、見えない部分でのエンハンスメントですがデータの復旧がきちんと優先されるように、内部的なプロセスも最適化が行われています。